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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
挿話 泣き紫
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い? 僕がフェイをどう見てるか」
「そうですね。イラート海停に向かう船の上でも大変仲睦まじいご様子でしたので」
「……気づかなかったのは僕自身だけということか」
目を覆いたくなるとはこのことか。文字通り腕で視界を塞いだ。
「いいえ。フェイさんもいっそ残酷なほど気づいていませんでしたよ」
フェイが気づかないことに関してはとても納得がいく。彼女は幼い。内面だけなら、僕らの中で最年少のエリーゼより幼いかもしれない。その分だけ率直で裏がないから、一緒にいて安心できるのだけど。
そんな彼女に欲望を抱く自分は何なんだろう。
「……ローエン」
「はい、旦那様」
「僕は自分で思っていたほど聖人君子じゃなかったみたいだ」
抱きしめたい。腕の中に閉じ込めて、思う存分キスして。肌も体の奥底も全て僕で満たしたい。
他の男なんて見向きもできないくらい、僕だけに夢中にさせたい。
例えヴィクトルさんだろうが渡したくない。
彼女から自分を「僕のものだ」と言ったんだ!
「左様ですか」
「おまけに独占欲が強かったみたいだ」
「存じ上げております」
……ローエン?
「お仕えしてたった2年ですが、お近くにいればどのようなご気性の方かは何となく分かります。よく存じ上げておりますとも。旦那様がこれぞ! とお決めになったものを溢すわけがないということも」
ローエンがサイドテーブルにソーサーに載ったカップを置いた。茶葉の香り――落ち着く。
「……いつもありがとう、ローエン」
「何の。このローエン、クレイン様にお仕えするのは喜びでございますれば」
体を起こして、ローエン特製のブレンドティーを頂く。
ベッドの上での飲食は行儀が悪いと躾けられているから滅多にしないのだけど、今日は特別。
「――おいしい」
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