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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
挿話 泣き紫
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るナミダ、ナミダ、ナミダ。ちがうの。イヤだったからって思われたくない。クレインさま、ごめんなさい。

 クレインさまがわたしを強く抱き締めた。

「守るよ。相手が君自身のお父さんであっても。僕のものだと言ってくれた、君を誰にも触れさせたくない」



/Alvin

 一難去ってまた一難。
 ヴィクトルとフェイとクレインのこじれにこじれた結果の三角関係は、ローエンとエリーゼから聞いた。
 そのままあの青い火花飛ばしまくってる男二人と一緒に宿に帰るのがきつそうだったんで。

「ちょっくらキタル族の宿に顔出してくるわ」

 と、イバルとエリーゼをガシッと連行した。

 宿に着いてイスラの客室へ一直線。事情を話して、今晩だけでも避難させてくれと頼んだ。

「そんなことがあったの……私には絶対無理ね。身代わりの愛なんて」

 イスラはお茶を人数分淹れると、カップを俺たちに回し始めた。

「人を愛する気持ちはユルゲンスが教えてくれた。こんな汚い私に優しくしてくれて、過去を知った後も、妻にしたいと言ってくれた。私はだから、ユルゲンスでないとダメ。他のよく似た誰かなんて愛せないわ」

 イスラが大事そうに触れるのは、セルリアンブルーの羽根飾り。キタル族のしるし。ユルゲンスから貰った、お前をキタル族にしたいっつー意思表示。有体にいやエンゲージリングだ。

「じゃあやっぱり、ヴィクトルのキモチはまちがい?」

 イスラはティーカップをまずエリーゼに渡した。エリーゼは両手で受け取る。

「ハッキリしたことは言えないわ。娘は父親に疑似恋愛することで性役割を学んで精神安定を図るって説もあるくらいだし。父親から娘への独占欲が顕著なのも一般的よ」
「長えこと入り組んだ事情があって親子として接して来なかった上に、軽く10年は離れて暮らしてたっていうからなあ。今さら父娘らしくしろってのが無理か」

 会話中に回ってきたマグカップを受け取り、口をつけた。アッチチ。

「だが、シャールも妖精を好いているのだろう。シャールとは血が繋がってないから問題なしじゃないか」
「そいつもフェイの心一つだ」

 イバルの分もイスラからマグカップを受け取って、ずい、とイバルに突き出した。

「フェイがファザコンこじらせてヴィクトルになびいちまう線もありうる。10年越しに愛してくれたパパと禁断にドボンするか、理想の王子様と恋に恋してゴールインするか。妖精サマのみぞ知るってね」
「こじれまくってやがる……アッチ!」

 猫舌仲間、発見。



/Crane

 宿に帰り着いてから、乱暴にベッドに身を投げ出した。
 今日は色々あって疲れた。明日からのトーナメント、大丈夫だろうか。

「ローエンは気づいてたのか
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