番外編:俺の…子供だと?
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。
そんなことを現実逃避の様に考えながら白熱するじゃんけんを
ただ黙って見つめる俺だった。
「勝った!…最初は私だよ、お兄ちゃん」
「うーん、僕は二番目かあ………ねえ、アルビオン。そろそろ服、脱いでも良いかな?」
『人の家に居るときぐらいはちゃんと服を着ろ!』
「私は三番目ですか……でもよくよく考えてみれば、待っていたら一誠さんとの子供が見られますから別に遅くてもいいですよね。……少し悔しいですけど」
「私が最後か……まあ、現実で一番最初に作れば問題ないよね」
思い思いの意見を述べる四人。何やらやばい言葉が聞こえてきた気もするが
そこはスルーする方向で行くとする。
取りあえずだ……クローム、そんなに一番になったのが嬉しいのか?
普段は見せないような覚悟の籠った眼で兄ちゃんを見ないでくれ。
「それじゃあ…いくよ…!」
「どうせ俺に拒否権はねえんだろうが……」
俺の諦めの言葉を掻き消すような爆音の後に、現れた煙が晴れるのを待つ。
そして、出て来た“女”のガキを見て微妙な違和感を覚える。
顔はクロームに似て非常に可愛らしく目の色は俺と同じだ。
髪を長く伸ばしてフリフリのついた可愛らしい衣服を身に着けたそれは
若干、涙目の状態で第一声を放った。
【うう…僕、男の子なのに何でスカートなんて履いてるのかな?】
「てめえ、男かよ!!?」
「かわいい…」
第一声だけで分かってしまうそれの特徴は同じ男として非常に同情すべき物だった。
そして、クローム。確かに可愛くて頬を染める気持ちも分からねえこともねえが
まずは、俺達の子育ての仕方について少し話す必要がある。
ただ単に服が無くて急ごしらえで女物を着させたってレベルじゃねえだろ、あれは。
絶対に日常的にやらされてると一目で分かるほどの完成度だ。
【ママ、僕もうスカートはやだよ】
「そんなことないよ…凄く似合っててママは好きだよ?」
【え? そうかな、ママが好きならそれでいいかな】
息子よ、騙されるな。
確かに似合ってはいるが、それとこれとでは話が違うことに気づけ。
そして、クローム。もしかしなくてもこれはお前の仕業何だろ?
「クローム…直ぐに男物に着替えさせろ」
「だめ…こっちの方が可愛い」
【パパは僕の事嫌いなの?】
「ぐっ!?」
うるうると目を潤ませながらこちらを見つめてくる二人が直視できずに顔を逸らす。
くそっ…っ!反則だ!!可愛すぎるだろうが!!!
特にガキの方の無邪気な瞳が俺の心に深く訴えかけてくる。
我慢できずにその頭に手をのせてしまった俺は何も悪くねえ!!
「……てめえの事は別に嫌いじゃねえよ」
【んー……どういうこと?】
「ぐうっ!
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