空白期 第16話 「気づいた想い」
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ど、どうしようアルフ!?」
「どうしようって……どれ着ていくか決めて、楽しんでおいでとしか言えないよ」
「そ、そんな……」
「そんなってね……何だかんだで良い機会じゃないのさ」
「何が良い機会なの!?」
「何がって……」
アルフは先ほど以上に呆れた顔を浮かべて大きなため息をついた。脳内であらゆる思考が走り回っているせいか、彼女が何を考えているのかさっぱり分からない。
「あのさフェイト……こういうことにあまり口を出すべきじゃないと思うんだけど、今後のために言っとくよ。フェイト、あんたってショウのことが好きなんだろ?」
当たり前のことを言うように放たれた言葉に、私は収束砲撃をもらったとき以上の衝撃を感じた。
――え……私がショウのことを好き?
好きか嫌いかと言われれば、もちろん好きだ。でもそれはショウが友達だからであって……アルフが言うような特別なものではないはず。なのにどうしてこうも心が揺れているのだろう。もしかすると私は本当に……、そう考えると顔がこれまでに感じたことがないほど熱くなった。
「なな何言ってるの!? た、確かにす、好きとは思うけど……そ、それは友達だからであって!?」
「まあそういう好きもあるようには思えるけど、フェイトのショウに抱いてる好きはそれ以外にもあると思うよ。クロノとかユーノと接してるときとは反応が違ったりするしね」
自分ではどう反応が違っているのかよく分からないけど、少なからず慌てたりするようなことが多かった気がする。からかってくる人がクロノ達といるときに比べて多かったからというのが理由な気もするけど。
でも…………クロノ達とは明確に違ってるところはあるよね。ショウが誰かと付き合ってるだとか、一緒に何かするってだけで衝動的に声を出してたりしてたし。よくよく考えてみれば……はやてとかにほんのわずかばかりではあるけど、嫉妬めいた感情も抱いてた気もする。
「それにあたしはフェイトの使い魔だからね。繋がりがあるからフェイトの気持ちに気づきやすいのさ」
「……ということは……やっぱりそうなのかな」
「だと思うよ」
アルフは距離を詰めると、私と目の高さが同じになるようにしゃがみこんだ。私の頬にそっと手を当てると、優しげな笑みを浮かべてさらに続ける。
「正直に言えば、フェイトが誰かと……ましてや男とイチャつくのに思うところはあるよ。でもね、あたしが1番に望むのはフェイトの幸せなんだ。フェイトが幸せならそれだけでいい……」
「アルフ……」
「……それに、どこの馬の骨とも分からない奴よりはあいつのほうが安心だからね。愛想が良いほうじゃないけど、まあ可愛げがないわけじゃないし。性格的にフェイトを振り回したり、自分勝手な要求ばかりしなさそうだから相性も良さそうだしね」
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