第四章
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第四章
「もうさ。かなり迷惑してるんだし」
「迷惑してるの」
「してるよ」
話が少し戻っていた。これは本当のことである。実際に彼はかなり迷惑なことだと感じているのだった。それを今美佳に話すのだった。
「手間がかかるんだから」
「そんなに悪いの?この子」
「悪いよ、いつも何かあったら噛むし悪戯するし」
タマの日常も話す。
「とんでもない奴なんだよ」
「何か余計に面白い子なのね」
それを聞いて言う彼女だった。そうして話をさらに聞くのだった。話を聞き終えた彼女は満足した顔で彼に対して言うのだった。
「いい猫ちゃんじゃない」
「まだいいっていうのかい」
「うん。今日はもう帰る時間だけれど」
「ああ、そうだね」
美佳に言われてそのことに気付いた桃李だった。確かにもうそんな時間だった。
「時間が経つのって早いね」
「そうね。だからまた今度ね」
「今度?」
「お邪魔していいかしら」
にこりと笑って話す美佳だった。
「また今度ね」
「あっ、来てくれるんだ」
桃李はそれを聞いて一気に晴れやかな笑顔になった。女の子に自分の家に何度も来てもらうということが嬉しく無い筈がなかった。
「また」
「ええ、またね」
再びにこりと笑って答える美佳だった。
「来させてもらうわね」
「有り難う。それじゃあね」
「今度はお料理作りましょう」
そしてこんなことを言ってきたのだった。
「お料理をね」
「お料理って?」
「タマちゃんのお料理二人で作らない?」
こう言うのである。
「桃李君お料理作られるのよね」
「ああ、それはね」
さっき話した通りである。そのことをまた答えるのだった。彼は実際にタマの食べる料理を作っている。そしてそのメニューについても話すのだった。
「本当だよ。魚や鶏のを使ったのが多いね」
「猫ちゃんだからなのね」
「そうだよ。しかもこいつってさ」
またしても苦々しい顔でタマを見て言葉を出した。
「あれなんだよ。野菜まで食べるし」
「お野菜もなの」
「雑食性なんだよ。猫の癖に」
このことも話すのだった。
「グルメでさ。困るんだよ」
「グルメなの」
「そうなんだよ。本当に手間がかかるよ」
「大変なのね。何か」
「味付けは薄味で」
このことも話すのだった。
「そうでないと食べないから」
「猫ちゃんだからなのね」
「そうなんだよ。とにかく手間がかかるよ」
苦々しい顔のまま笑顔になった。
「こいつだけは」
「わかったわ。じゃあ薄味でね」
「本当に作るんだ」
話が彼女のペースになっていることをここで察した。
「本当に」
「ええ。それでね」
「そうなんだ。本当に」
「そうよ。それでだけれど」
話は美佳主導になっていた。その彼女がさら
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