■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆自己の非同一性
第五十四話 新たな仲間
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たけど、所属とかいろいろは……」
「ソロだよ。武器はこの子!」
ぶん、と音を立てて、ストレアは背中の武器を片手で一振りして構えをとった。大剣らしきその武器は、片手持ちだというのに水平にぴたりと静止していて、それだけでストレアの筋力値の高さが見て取れる。
「うわっ! そんなもの街中で振らないでよあぶないな」
ごめんごめん、と全く悪びれる様子もなく笑いながら、彼女は再びその大剣を背にしまった。
「それで、どうかな。私も一緒につれてってくれる?」
どうしたものか、とシノンはミドリに視線をやった。ストレアが信頼に足る人物かどうかはかりかねているのだ。彼女は当然グリーンカーソルで示されていて、犯罪者ではないという意味では信頼できる。逆に言えばそれ以上の判断基準は存在しないのだ。それにパーティーメンバーを募集しているところに応募してきた者よりも、たまたまパーティーについて話していたところに首をつっこんできた彼女の方が信用に足るはずだ。ミドリは首を縦に振った。
「ああ、もちろんだ。よろしく頼むよ――ストレア」
「うん! よろしくね」
一段落したと思ったその時、再び彼らに声をかけてくる人物がひとり。
「あのー、すみません。私も混ぜてもらえないでしょうか」
物腰が柔らかそうなその声の主は、三人の視線を一挙に浴びて少々落ち着かない様子で視線を彷徨わせた。短い刃物――おそらく短刀――を腰に下げている。口調や声はやや中性的だが、なかなかに逞しい体つきからして男性であることは間違いない。
「ギルド《コロネン》のリーダーをやってました、イワンといいます。ギルド自体は先日の『3Qの戦い』に行く派と行かない派に分裂し、解散しました。今はソロなのですが、見ての通り私は刀使いでして、スイッチできる仲間がいないと安定して戦えません。今までは野良パーティーでやってきたんですが、やはり固定のメンバーでないと連携がうまくいかず、パーティーメンバーを探していたところだったんです。しかしクエストボードに張り出しても全く声がかからず、困っていたところにあなた達の話が聞こえてきたものですからつい……。しばらくは前線から引きたいと思っていたところなので、ちょうどいいと思いまして。お願いしてもよろしいでしょうか」
再びシノンとミドリは、そしてストレアも、目配せしあった。当然、彼もグリーンカーソルの一般市民である。それに《コロネン》は聞いたことのあるギルドであり、素性の知れないストレアよりはよっぽど信頼できる。三人より四人の方が安定するため、断る理由もなかった。
「よろしく頼む。……ところで、《コロネン》ってことは七人ギルドだろう。今はあんた一人ってことは残りは全員下層か?」
ミドリの質問に対し、イワンは博識ですねとつぶやいた。コロネンとは七つ
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