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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十九話 “For Elise”
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スが胸から取り出したのは、銀色の、時計?
 時計に目を奪われてると、メイスは……え、え? どこ? 消えた?


 ザン!


「ああああ!」
「! イスラさん!?」

 なんか、全身タイツみたいなカッコになったメイスが、ヘンな形の槍で、イスラさんを、イスラさんを!

 メイスが元の魔女コスプレに戻って、またわたしの前に立った。

「どうして…! 仲間じゃないんですか!?」
「死なない程度に手加減はした。医者の生命線の手には傷、つけてない。それとも、手加減なしで斬り捨てたほうがよかった? 彼女に人生を狂わされたアナタにはそうする権利がある」
「言わないで…!」
「何なら今から戻ってそうしてもいいよ。イスラが死んでワタシも消えれば、レティシャさんの看病は誰にもできなくなって、いずれレティシャさんは衰弱死して、アルはひとりぼっちになるけど。アナタが売られて実験動物にされたことに比べれば安いモノよね。そうと決まればプラマイゼロにするためにも戻りましょうか。イスラを殺しに」
「やめて! もうそれ以上言わないで!」

 わたし、そんなみにくい気持ちなんて持ってない。確かにわたしを売ったイスラさんは許せないけど。

『エリーはイスラが死んじゃえばいいなんて思ってないもん! エリーはいい子なんだからな!』

 そうだよ。死んじゃえなんて思えない。そんな怖いこと、考えたくない。
 
「そうね。『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ――、え?

「薄々気づいてるんじゃない? 自分がかたくなにイイ子であろうとしてるワケ」

 ワケ。訳。理由(わけ)。わたしがイイ子でいようとしてる、理由?

 メイスはわたしを肩に担いだ。それから吊り橋を渡って、鉱山の中に入った。暗いのにメイスは迷いなんてなしに先へ進んで行く。


 暗い洞窟を延々と、どのくらい進んだでしょう。裸電球だけで照らされたうす暗い一室に着いた。

 メイスは今度、あっさりわたしを下ろした。逃げたくても、暗くて帰り道を覚えられなかったから、結局メイスと一緒にいるしかない。

 するとメイスは、わたしが抱いてたティポをぐにんと引っ張って奪った。

『はーなーせー!!』
「か、返して! 返してください!」

 ぴょんぴょん飛んでも身長差があるから届かないよぉ。

「必要なモノを貰ったら返すわ
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