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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十九話 “For Elise”
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ゼっ、エリーゼ!」
窓から身を乗り出してイスラさんが叫んでる。
イスラさんが引っ込んだ。もしかして、降りて追いかけようとしてくれてるの? イスラさん、だめ! レティシャさんがいるのに!
「心配はいらない。レティシャお母様にはアルが付き添う。イスラが外しても支障はない」
ダダン!!
あ、あ、あぶ、危な…!
『何であの高さから飛び下りてヘーゼンと着地してんのー!?』
「特異体質。しゃべってると舌、噛むよ」
へ? きゃあ! そのまま走り出さないでくださいー!
過ぎ去る景色も見えないくらいの速さで駆け抜けたメイスがようやく足を止めた。わたしは肩に担がれてただけなのに、ヘンな息切れしちゃった……
「何ですか、ここ……」
おっきな穴の周りの崖を削って、なんとか人が行き来できるようにしたみたいな細い道。あちこちに木枠が崩れかけた出入口。
「リーベリー岩坑。かつてア・ジュールの
増霊極
(
ブースター
)
開発施設があった場所よ。覚えはない? 被験体E、エリーゼ・ルタス」
リーベリー。ブースター。ヒケンタイ。
何で。知らないワードのはずなのに胸がドキドキして息が…できない…っ!
メイスはそんなわたしにお構いなし。おっきな穴を渡るための吊り橋に踏み出そうとして……
ヒュッ――ビィィン…!
メイスの足の先に細い物が落ちてきて刺さった。メイスは停まる。
これ、矢? ダーツみたいな形してるけど。
「エリーゼを返しなさい、メイス!」
この声――!
「イスラさん!」
『わあーーん!! 待ってたよーー!!』
「戦いのシロウトが武器なんて持つもんじゃないわ。うっかりエリーゼに当てたら、アナタ、責任取れる? 償いどころじゃなくなるわよ」
イスラさんは歯噛みしてボウガンと、わたしを見比べた。
イスラさんはボウガンを下ろした。とても、悔しそうに。代わりに口を開いた。
「何でエリーゼを、よりによってココに連れてきたの。もうエリーゼは関係ないでしょう」
ここ? この場所に何かあるの? わたしの、何が。さっきの息苦しさは、だから?
「これからキタル族に嫁ごうって女が、族長の仕事内容も知らない。まあ、これについてはユルゲンスも知らないか。……黙って待っていて。そうすれば彼女は無傷で返す」
「信用できないわよ。あなた、アルと同じかそれ以上の『ウソツキ』じゃない」
「否定しない。むしろアルと同列に扱ってくれてアリガトウ」
ぞわっとした。この人、本気で「アルヴィンとおなじ」って理由で悦んでる!
きゃっ! いったあ……うう、いきなり落とさないでください! わたし、小麦袋じゃないんですから!
メイ
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