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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十九話 “For Elise”
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いだ。そう苦笑したら、あいつはいつもの幽かな笑顔で言った。

「アルが望むなら、魔法使いでも、魔女でも、大精霊でも」

 感極まって、細い体に抱き縋った。

 ああ。お前は俺の最高の魔法使いだよ。ユースティア。

 …………

 ……

 …

/Elise

 昇降機のドアが開くと、アルヴィンは昇降機を降りて、ずんずん進んで行った。

「大丈夫? エリーゼ」

 だいじょうぶです。アルヴィンが怒るのもしょうがないこと言っちゃったんですから。

 わたしも外へ出る。イスラさんはわたしの後ろから付いて来た。背中を見られるのは落ち着かないけど、イスラさんを視界に入れたくないんだから、ダキョーするしかない。


 ――あの時。
 イスラさんに「死ねるんですか」ってわたしが言った時。

 現れたアルヴィンは、ちっとも笑顔じゃない笑顔で、わたしに言った。
 イイとこ連れてってやるよ、って。
 そうして連れて来られたのが、ここ。切り立った崖を削って家にした地区でした。今は3階まで上がってきた。

 昇降機を降りた先は、シャン・ドゥの景色がイチボーできる展望台。でもアルヴィンは景色には目もくれないで、別のドアに入って行った。

 あそこ、もしかして。

「アルと――アルのお母さんの家よ」

 ひゅっ、と息を呑んだ。

『な、何でアルヴィン君、自分ちにエリーを連れて来たのさ〜』
「分からないわ……」
『ウソでも分かるって言ってよバホー!』

 な、泣かないでティポぉ。ティポがそんなじゃ、わたしもどうしていいか分かんないよぉ。

「……彼はお母さんのために働いているの。どんなに汚い仕事でも、大切な家族のためならやる。反対に、お母さんのいるこの場所には安易に他人を近づけたりしない。今でも、彼の家に出入りできるのは私と、もう一人の仲間だけ」

 そんなに大事な場所にわたしたちを連れてきたの? どうして?

「エリーゼ。怖いならあなただけでも引き返していいのよ?」

 頭をぶんぶん振った。できません。だって、わたしがイスラさんを、アルヴィンのお母さんを殺しかけたことは、事実なんですもん。

 イスラさんに付いて行って、岩壁に埋まった家の一つのドアの前へ。

「アル。入るわよ」

 返事はなかったけど、イスラさんはそれが当たり前みたいにドアを開けた。わたしもいっしょに入った。お、おじゃましまーす……

 太陽がまぶしかった外から入ると、家の中は暗いようにさえ感じた。


「ごきげんよう、レティシャ姉さん。具合はどう」
「――あら。あなた、今日も来てくれたのね。バランはいいの?」


 話し声? ふたつ聞こえる。どっちも女の人の声。

 家の奥に行く
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