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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十八話 ある女医の贖罪
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スラさん。わたしがシアワセになるためなら、なんでもするって言いましたよね」
「…………ええ」
「本当に、なんでもしてくれるんですか?」
「そのつもりよ」
ウソツキ。声に無茶言われたらどうしようってにじみ出てる。たとえばユルゲンスさんと別れて、とか言われたら、泣いて言い訳するんでしょう? そんなの見たくない。見苦しい。
そう。わたしはもう見たくない。関わりたくないの。あなたも。あなたを通して思い出す昔のわたしも。
「じゃあ、わたしが死んでって言ったら、あなたは死んでくれるんですか?」
ふり返る。きっとイヤがってるよね。でも、その顔が見たいって思うわたしは…………あれ?
イスラさん。その袋は何ですか? 袋から出した丸薬は何ですか? 何でそれを飲もうとしてるんですか?
「私に言えたことじゃないけど、エリーゼ――しあわせになってね」
イスラさんが丸薬を口にふく――
ドスッ!!
「うぇッ…エッホ、ゲホ!」
イスラさんが膝を突いてえづいて、丸薬を吐いた。
ア、アルヴィン…何でいるの。何でイスラさんの首を銃で叩いたの。わたしがイスラさんに言ったことも、聞いて、たの?
「アル……あなた、」
「おいおい。命の恩人に対して何て顔してんだよ。俺が来なきゃあんた、今頃、冥府の住人だぜ」
「それでも私はっ」
「別にあんたが死のうが俺は知ったこっちゃないが、あんたに死なれたら誰がお袋の面倒看るんだよ」
イスラさんがはっとしてアルヴィンを見上げた。
――あ。そう、だった。この人はアルヴィンのお母さんの主治医さん。
じゃあ、じゃあわたし今、イスラさんだけじゃなくて、間接的に、アルヴィンのお母さんも、……殺して、しまう、とこだった?
震えが昇ってくる。歯がカチカチ鳴る。
こわい。アルヴィンがこわい。アルヴィンが気づかないわけない。回り回ってお母さんを殺そうとしたわたしを、アルヴィンはいったい、どう思って……
強くティポを抱くわたしを、しゃがんだアルヴィンが笑って覗き込んだ。
笑ってる、笑ってるのに。
「被害者ヅラしていいボーダーを越えちまったなあ? 人形姫」
こんなに冷たい目をしたアルヴィンを、初めて、見た。
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