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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十八話 ある女医の贖罪
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くてタイヘンだったかもしれないけど、だからって、わたしが辛かったのだってウソじゃないもん!





 朝ごはんを食べて、部屋でぐだぐだ過ごす。カン・バルクからエッケンのキョカが来るまでは好きに過ごしていいってヴィクトルが言ったから。

 ほんとはお外も見てみたいですけど、外に出てイスラさんに会ったらと思ったら、部屋から出られなかった。

 そんなわたしの心を読んだみたいに、今日はおなじ部屋のフェイも、どこにも出かけようとしませんでした。
 男の人たちはみんな出かけましたけど、ヴィクトルだけ一度戻ってきて、ハートハーブっていう、痛みを和らげるハーブをわたしにくれました。フェイと二人で焚いてみて、少しだけふんわりしたキモチになれました。


「フェイ。ヴィクトルはフェイの本当のお父さんなんですよね」

 フェイがミラっていうマクスウェルの「代役」をするって話してました。だからフェイがヴィクトルを「パパ」って呼んでもふしぎじゃなかったけど。

「そうだよ」
『じゃーフェイ君のお母さんはー?』
「……フェイを産んで、死んじゃった」

 フェイはたまにこんな目をする。目の前にわたしやだれかがいても、ずーっと遠くを見てるみたいな。

「だからフェイ、ママの顔も性格も知らない。お姉ちゃんは、わたしたちはママに似たんだって言ったけど、それもよくわかんない。知らないから」
「ごめんなさい……」

 フェイは何も言わないで首を横に振った。


 コンコン


「はーい」

 フェイがノックにドアを開けに行く。開けたドアの向こうには、アルヴィン。

「お帰りなさい。どうしたの?」
「ああ。エリーゼにちょっと用事が出来てな」

 わたし?

「イスラから伝言預かって来た。聞くだけ聞いちゃくれねえか?」

 肩が跳ねた。心臓がどくどく鳴り始める。ティポをぎゅうっと抱き締める。
 イスラさん。わたしがひとりぼっちになる原因を作った人。

「エリー」

 あ、フェイ……

 フェイが戻ってきて、横からわたしの肩を抱き寄せてくれた。ヴィクトルにくっついてる時とはちがう安心感。

「アル。イスラさん、何て?」
「昔エリーゼが住んでた家にエリーゼを連れて行ってやりたいんだとさ。その気があるなら出てすぐの橋で待ってるから来てくれってよ」

 わたしが住んでた、家? わたしにもちゃんとお家があったの?
 お父さんやお母さんと一緒に暮らしてたかもしれない、わたしのお家。

「来ないなら来ないで、イスラは納得するだろうよ。それとこれ。来るつもりなら着とけとさ。血の巡りをよくする効果付きのコートだ。家の場所ってのが雪原なんだと」

 アルヴィンはわたしの横に無造作にコートを放ってか
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