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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十七話 ある女医の告白
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が、人身売買。リーベリーの国立研究所が孤児を集めていたから、孤児を見つけては連れて行って、謝礼金を貰う。そんな汚れた商売だった。あなたは私がリーベリーに売った最初の子。ユルゲンス……今の婚約者に会わなかったら、今でも似たような仕事をしてたでしょうね」

 イスラさん、は、イスから降りて、わたしに向けて両手と頭を床につけた。

「過去に私があなたをリーベリーに売ったせいで、あなたが辛い思いをしたのは分かってる。でも私にはもうその過去を変えられないから。せめてこれから先、あなたが幸せになるための手伝いをさせてほしいの。こんなことが償いになるか分からないけど…どんなささいなことでも、エリーゼのためになることなら、今は迷わずやる覚悟よ」

 イスラさんがまた頭を床に着くくらいに下げた。

「許せなんて言わないわ。ただ、謝りたかったの。ごめんなさい。ごめんなさい、エリーゼ…っ」

 ――あやまらないで。
 あやまらないで。あなたのせいでわたしはずっと独りぼっちだった。ずっとずっとずっと。
 あなたがぜんぶ狂わせた人だったのね。あなたがいなければ、わたしは、わたし、は――

「帰ってください」
「エリーゼ」
「つぐないとかカクゴとか、そんなこと言われてもわたし分かりません! 帰って! 帰ってよ!」

 抱き締めたティポに顔を埋める。見たくない、聞きたくないの、何も。お願い、消えて。出てこないで。

 そうやって待ってたら、床板が軋む音と、ドアが開いて閉まる音がした。

 ふわって。頭からすっぽりくるまれる感触。

「……エリー。イスラさん帰ったよ」

 この声、フェイ。そっと顔を上げても、視界はピンクの袖でさえぎられてて、わたしをおびやかすものは何も視えなかった。ほっとして、そのままフェイの胸にもたれた。
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