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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十七話 ある女医の告白
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七子は。あれも裏側があるのですか?」

 フェイリオのことから話題を逸らそうとしたんだろう。本当に濃やかだな、ローエンは。

「七子は私も知らない。そもそもクルスニクの直弟子は13人いて、内6人がマクスウェルに付いてリーゼ・マクシアに渡った。六家はその6人が祖らしい。子孫ではなく。血縁関係はあったらしいから、子孫といってもあながち外れてはいないかもしれないが。リーゼ・マクシアで真実クルスニクの直系といえるのは、イバルたちニ・アケリアの民だけだ」
「イバルや長老さんたちが……」
『長老さんたちはともかく、イバル君は全然そんなリッパな人の子孫に見えないー』

 こらイバル、エリーゼに絡むな。やるならティポを伸ばせ。

「クルスニクはマクスウェルの最初の巫子。ニ・アケリア出身のイバルが現マクスウェルの巫子になったのは運命の妙だ」

 なぜイバル、と正直私も若い頃は思った。その辺の選考基準はニ・アケリアの長老方に尋ねてみるしかない。

「――では、あなたは?」

 クレイン?

「フェイさんはそのミラという人の影武者。イバルさんは本物のマクスウェルの巫子。ではあなたは何者ですか。無関係な赤の他人にしては、あなたは知りすぎている。世界も精霊も、歴史の裏側も」

 最近この手の質問を受けることが増えた気がするな。

「エレンピオス人」

 渋るだけの大仰な答えは持ち合わせていない。ここの連中は仲間と認めた者を売らないし、アルヴィンは買収済み。となれば隠す必要もあるまい。

「リーゼ・マクシアの外、本当の時空にある国で生まれ育った生粋の異邦人。いわば時空規模の漂流難民だ。アルヴィンもだ。だから君たちより世界の真実を知っているし、霊力野(ゲート)もないから精霊術も使えない」

 シャール主従が納得を浮かべた。そうだよ。ガンダラ要塞の件はだから手伝えなかったんだ。

『フェイ君はフツーに精霊術使ってるよー?』
「フェイリオも幼い頃は普通のエレンピオス人だったよ。後天的な突発変異だ」
『そーなの、フェイ君?』
「うん。元はパパやお姉ちゃんとおんなじだったんだけど、ある人が霊力野を開いてくれたの。どうやってかは、聞かないで。わたしもその人も分からないから。元々なかったモノをムリにこじ開けたせいかな? フェイの霊力野は、リーゼ・マクシアの人たちともチョットちがうみたい。ミラさま…マクスウェルみたいに精霊と交信できるし、先に手続きがすんでるから詠唱はイラナイ」
「手続き?」

 同じ感覚型のエリーゼでもそこまでは感得していないか。

「深くツッコむとエリーがしんどくなるから、言わない」
『フェイ君のイケズぅ』
「わたしならヘイキなのに」
「ゴメンネ」

 フェイは装束の袖を持ち上げ、苦笑した。

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