暁 〜小説投稿サイト〜
エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十六話 合流
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
/Victor

 現在地、シャン・ドゥ。その玄関口。
 現状。私の両脇に立つイバルとエリーゼの仲がすこぶる悪い。

 これについては再会してすぐに暴言をぶつけたイバルも、さらにその暴言を上回る暴露をしたエリーゼも悪い。だからといって喧嘩両成敗……といかないのが子供の世界のようだ。
 シャン・ドゥに着くまでも、最低限の会話しかしなかった。
 再会頭にアルヴィンに、

「おたくら何かあっただろ」

 と、断定される程度には、イバルとエリーゼの仲は険悪だ。


「おーい」

 噂をすれば何とやら。アルヴィンがこちらに歩いて来ていた。

「よ、ダンナ。と、ちびっこ2名」
「「チビじゃない!」」

 ……仲良くなれそうに思うんだがなあ。

「悪ぃ悪ぃ。巫子どのはともかく、ちっこいお姫様はむくれても可愛いぞ」

 アルヴィン、下手するとその年齢差はナンパですまされないぞ。そしてイバル、ついで扱いされたからといって拳を固めてアルヴィンを睨むな。

「フェイたちはまだ着いてねーの?」

 アルヴィンはきょろきょろと辺りを見回す。――ローエンからの手紙には、今日中にはシャン・ドゥに着くと書いてあったが。

「ああ。私たちのほうが早かったらしい」

 これについてはワイバーンさまさまだ。獣隷術を使えるイバルがいて助かった。ガンダラ要塞からニ・アケリア、さらにはカン・バルクまで一直線(イル・ファンに行かないことにイバルが文句を言ったが、そこは巧く丸め込んだ)。

「ね、ヴィクトル。今日フェイといっしょに来る人たちって、どんな人なんですか?」

 クレインとローエンの人柄、か。

「どちらも優しい人間だよ。エリーゼとティポのこともきっと受け入れてくれるさ」

 今日まで私の仮面について全く追及しなかった主従だからな。

 とはいえ、ただエリーゼと対面させるだけでは面白みに欠ける。ここは一つ、ファースト・コンタクトが明るいものになるように、少しばかり演出させてもらおうか。

「エリーゼ」

 屈んでエリーゼの耳元であることを囁く。エリーゼは首を傾げたが、「いいから」とだけ告げるとエリーゼは肯いた。素直でよろしい。

「エリー! アル! イバル!」

 来たか。

 ドロッセルから贈られた神官風のドレスの裾を挙げ、フェイリオが顔を輝かせて走ってくる。
 フェイリオの後ろからは、微笑ましげなローエンとクレイン。

「フェイ!」『フェイ君だー!』
「よう、雪ん子。元気でやってたか?」

 互いに集まって、話に花が咲く。いつまでもそうさせてやりたいが、エリーゼだけは彼らに紹介しておかねばならない。

「エリーゼ、おいで」

 エリーゼの肩に手を回して、クレインとロー
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ