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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十六話 合流
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ないだけで、誰かにとって大切なモノである時もありえますから」

 後ろでローエンが、まるで自慢の我が子を披露したかのような得意(ドヤ)満面《がお》。軽く腹立つな。

「クレインさまの考え方って、オトナ」
「見習えよ、巫子どの」
「なぜ俺!?」
「おたく以外に誰がいんの――――、止まれ!!」

 アルヴィン? ……! 落石! 大きい!

「旦那様!」
「フェイ!」

 巨大な岩石が頭上から落ちてくる。アルヴィンがフェイリオを抱えて落下地点から飛びのく。ローエンもクレインを押して道端に転がった。


 ズン………ンッ!!


 揺れは――治まったか。抱えたエリーゼを離す。砂埃で汚れただけで怪我はないようだ。ほっとした。

 残るメンバーはどうなった? クレインとローエン…はエリーゼと同じく無傷。アルヴィン…と、フェイリオも無事、か。イバルは……む、正面の広場が騒がしい。

「子供たちを庇って少年が巻き添えに!」
「医者を呼べ!」

 エリーゼと見交わし、急いで声のしたほうへ走った。

 子供ふたり、それに野次馬か助けか分からない住民の輪の中心。
 くそ、やはりイバルかっ。らしくない真似を。

「イバルっ、しっかりっ」
『らしくないドジ踏んでんじゃないぞバホー!』

 エリーゼが膝をついてイバルを揺さぶる。ティポが涙目。ということは、エリーゼは心からイバルを案じている。ニ・アケリアでイバルに責め立てられて険悪な仲になったかと思ったが、そうでもなかったか?

「エリーゼ、落ち着きなさい。無闇に動かすな。治癒術は使えるな?」
「は、はい」
「なら大丈夫だ。イバルを治してあげなさい」
「はいっ」
『ヤルぞー!』

 ティポを抱いて集中に入るエリーゼ。石畳にイバルを囲む程度の円陣が光り、治癒が始まる。
 ほう、と周りから感嘆の声。エリーゼくらい幼い術士が珍しいんだろう。

「…何で、助ける」

 イバル。よかった、意識は失ってなかったか。

「俺が貴様に、言ったこと、忘れたのか」
「忘れてなんか、いません」
「なら…」
『だからってエリーは目の前でケガしてるヤツをほっとくよーな悪い子じゃないんだい!』

 エリーゼたちがイバルを治療してやっていると、人だかりから一人の女が飛び出した。

「どいて、医者よ! 手伝うわ」

 有難い。いくら有能な術士とはいえエリーゼは幼い。だが、医者なら治癒術の本職だ。

 エリーゼとその女医の治癒術で、イバルの傷は綺麗に消え失せた。
 起きる時に手を貸そうすると、ムキになって払われた。それほど元気であれば心配は要らないな。

「パパ、エリーっ。イバル、だいじょうぶ?」

 フェイとアルヴィン、ローエンとクレイ
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