第一章
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いると答えるのだった。
「猫がね」
「猫がいるの」
「可愛くないのがいるよ」
ここでそのタマがいるというのである。
「それもね」
「猫ちゃんなの」
「まあ気にしないで」
タマのことはこう言うだけだった。
「それはね」
「気にしないで、なの」
「まあ入ってよ」
桃李はここで彼女に促した。
「もう準備ができてるからね」
「有り難う。それじゃあ」
「うん、どうぞ」
玄関の扉を開いてそのうえで彼女を入れた。こうして美佳は彼の家の中に入った。そうして中に入ってしまうとだ。そのタマがいるのだった。
「うわ、いきなり出て来たな」
「この猫ちゃんなのね」
「ああ、そうだよ」
タマは玄関の真ん中に堂々と座っていた。そうしてその真っ黒い顔に黄色い目を見せていた。そのかなり目付きの悪いその目を。
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