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【銀桜】3.モンハン篇
第7話「現実とネットゲームのパラメーターは比例することもある」
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ら……

「消えないデータもある、か……」

 そう呟いて双葉は店から出て行った。
 その口元にごく僅かに笑みを浮かべて。

*  *  *

 データとプログラムで埋め尽くされた世界に黒い影が舞い降りる。
 黒い影はゆっくりとその世界を見渡し、奥の中枢システムを見つけてほくそ笑んだ。
【こんなにもあっさり侵入できるとは。なんと脆いガードシステムだ。超科学技術で造られたという《からくり(機械)》が聞いて呆れる。(われ)がこの世界の支配者となる日もそう遠くない】
 そして笑う。盛大に笑う。
 全てを見下し嘲笑う声が、機械仕掛けの世界へ浸透していく。
 嘲笑をもたらす黒い影によって、これから大事件が起きる。
 だがそれは、また別の話である。

*  *  *

 日差しが夕焼け色に変わり始めた頃、『スナックお登勢』は夜の営業に向けて準備をしていた。
 そんな忙しい時でもかまわず、銀時は店内に入り甘い物を注文してカウンター席に座る。
 するとカウンターの奥にこの店に少し場違いなモノが置いてあるのに気づいた。
「バアさんパソコンなんて買ったのか?」
「たまが欲しがってね。落ちてたの源外に修理させたんだよ」
「タダ同然かよ。ムカつくな」
 こっちは電子喫茶のパソコン代で金が掛ったのに結局収入はゼロ。金儲けのつもりが、ただ余計な出費をはたいただけで終わった。
 そんな苦い経験を数日前したせいか、今はパソコンを見るとイライラする。
 叩き割ってやろうかと思い、銀時はノートパソコンに歩み寄った。
「って電源つけっぱなしじゃねェか。……ん?」
 放置されたパソコンが映し出すのはモンキーハンターのスタートメニュー。
 一体誰がやってたのか疑問に思っていると、お登勢が思い出したように口を開いた。
「そういやさっきまで双葉も使ってたね。この前たまと一緒に凄い速さで文字打ってたよ」
 それを聞いた銀時は、黙ってパソコンを見つめる。
 電子喫茶に入れるようになるまでの二日間、そしてプレイしている間、双葉もどこかへ出かけているようだった。
 そういえば螺鬼が出現したのは自分たちと同じ場所。いや、自分たちの前にしか現れていない。
 それに螺鬼は銀子を『糖分中毒』と呼んだ。
 もしかすると螺鬼の正体は――

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「まさかな」
引きつった口元で、銀時はパソコンのスイッチを切った。

=終=

















































●おまけ:「説明書読んでないでまず電源入れてみよう」●

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