暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
0826話
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ではなく、何と言うか違和感がある。……そう、違和感があると表現するのが正しいだろう。
 最後にパンへと手を伸ばすが、こちらも同様に違和感のある不味さだ。
 ……食事というのは、軍人の士気を高める上で限りなく重要な意味を持つ。その食事全てがこの程度の味だとすると、前線の兵士の士気がどうなのかは大体の予想が付く。
 料理の味を100点満点だと考えると、この合成食は15点くらいか。
 さすがにこの料理をこれ以上は食いたくないので、空間倉庫の中に入っている容器へと分類してそのまま保管する。
 何かに使えるかどうかは分からないが、一応ホワイトスターに戻る時の土産とでも考えておくか。
 俺自身の食事は、空間倉庫の中から取り出した買い置きのサンドイッチで済ませる。
 有名なパン屋で作りたてを購入して空間倉庫に保管しておいたものなので、全く味は落ちていない。
 ハムと卵といった一般的な具から、ツナマヨ、BLT、照り焼きチキンといったものが揃っている。
 それらを味わい終わった後は紅茶――相変わらず缶紅茶だが――で口の中をさっぱりとさせて夕食は完了した。
 にしても、合成食がここまで不味いとはな。
 トレイを部屋の前に出した後、何故ここまで不味いのかが気になってコンピュータから情報を引き出すと、ある意味では当然のことが理解出来た。
 合成食というのは海洋プランクトンを利用して作られているのだが、あんなに不味い食料でもBETAから逃げてきた避難民全員に対して十分に行き渡るかと言われれば、答えは否らしい。
 もっと手間暇を掛ければ味の改善を図るのも可能らしいが、それをすれば生産量が更に減るとか。後は、避難民と言ってもその国によって感じる味は千差万別。特定の国で美味いとされている味付けが他の国出身の避難民が美味いと感じるかと言われれば、こちらも答えは否な訳だ。
 BETAに滅ぼされた国の数を考えると、その辺は更に複雑怪奇になる。 
 味と生産量。その2つを天秤に掛けた結果、生産量に傾いたのだろう。
 ……まぁ、味を重視した合成食を作っていたので食料が足りなくなって餓死しました、なんて事になったら洒落にならないしな。
 他にも色々とこのコンピュータで調べられる限りの世界の情報を調べているうちに、やがて夜になりその日は大人しく眠りにつくのだった。





 翌日、俺の姿は再び基地の外れにある、防諜対策がされた会議室の中にあった。
 尚、今朝の朝食は合成食ではなく普通の食事、いわゆる天然物を出して貰ったが、こちらも正直な話、味はいまいちだった。
 勿論合成食に比べて不味い訳では無いが、それでも口に合わない。
 この世界の天然物の食事が、BETAとの戦いの影響もあって栽培技術が落ちているのか、単純に俺がオーストラリアの料理の味付けが好み
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