暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
0826話
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と、今日の会議でリトラスが言っていた話は満更嘘でも無いのだろう。
 ……もっとも、俺達が求めているのはマクロス世界の時とは違って都市1つ分の領土ではない。純粋に基地1つ分程度で十分なんだがな。
 その基地にしても、シャドウミラーがこの世界に協力しないと決めれば即刻排除するんだし。
 全ては明日、か。オーストラリア政府はどういう判断を下すのやら。

「失礼します、合成食をお持ちしました」

 ドアがノックされ、そんな声が聞こえてくる。
 予想していたよりも早いな。

「ああ、入ってくれ」

 そう声を掛けると、扉が開いて部屋の中にさっきの軍人が入ってきたのだが、その手に持っているのはパンにスープ、牛肉と思われる肉のステーキにサラダといった内容だった。

「……俺は合成食を頼んだ筈だが?」
「はい、ですのでこうしてお持ちしました」

 至極当然といった様子で返事をする軍人だが……これが合成食なのか? てっきり合成食というからには、スティック状の栄養補助食品のようなものを想像していたんだが、見事に普通の料理にしか見えない。

「これが本当に合成食か? 見た感じは随分と普通の料理に見えるが」
「ええ、見た目と匂いに関しては」

 小さく眉を顰める様子を見る限り、やはり不味いのか?
 ともあれ、実際に食ってみれば分かるだろう。

「分かった。ならそれを置いていってくれ」
「了解しました。食器に関しては部屋の外に置いておけば係の者が回収しますので」

 それだけを告げると、敬礼して部屋を出て行く。
 ……そう言えばシュークリームはどうしたんだろうな。まぁ、食ったなら食ったでいいんだが。
 どうでもいい事を考えつつ、まずは野菜とベーコンが入っているように見えるスープを口へと運び……次の瞬間には動きを止める。

「なるほど」

 そう呟いた俺の表情は、恐らく眉が顰められていただう。
 実際、それ程の不味さだったのだから。
 匂いに関してはそれ程悪くない。勿論食欲を刺激する程に美味そうな匂いという訳では無いが、それでも耐えきれない程の悪臭という訳でも無いのだ。
 だが、口の中に入れた時に感じる味。これは俺の予想を超えて不味かった。
 何と表現すればいいんだろうか。スープのようでいて、スープではない? あるいは豆腐をウナギのように料理する精進料理か? いや、少なくても精進料理は美味いと表現出来る以上、この合成食と一緒にするのは失礼だろう。
 言葉に出来ない程に不味い訳ではないが、少なくても自分から進んでこれを食いたいかと問われれば、間違いなく否と応えるだろう。
 そんな不味さを感じさせるスープを無理矢理飲み干し、次にステーキを切り分けて口に運ぶが、こちらもまたスープ同様に不味い。しかもただ不味いだけ
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