暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
0826話
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深々と頭を下げてくる相手に、この世界の食糧事情の危うさを改めて実感する。
 確かに俺が渡したシュークリームは麻帆良でもかなりの人気を誇る商品ではある。実際、それだけの味だしな。
 だが、それでもここまで……まるでどこぞの至高のメニューやら究極のメニューの如く大仰にされる程の物でもない。
 もしかして、この世界の住人は餌付けをすればあっさりとどうにかなったりするんじゃないだろうな?
 もしも条約を結ぶとすれば、機動兵器関係の技術以外に食料に関してもかなり売れそうだ。いや、売れすぎると考えれば俺達シャドウミラーだけでは需要過多になって供給を満たせないか。
 マクロス世界は……ミュートスに移住したばかりでフロンティア船団時代は天然物が高級品だったのを考えると、まず無理だろう。
 オーブは島国で食糧自給率がそう高い訳じゃない。麻帆良は所詮1都市でしかない。
 となると、ギアス世界か。陽光なら広大な国土を持っているしな。
 だが、その前に……今のシュークリームの件でちょっと気になる事があったので、目の前で年甲斐も無くシュークリームへとキラキラした視線を向けている軍人へと声を掛ける。

「悪いが、合成食ってのを持ってきてくれないか?」
「は? それは構いませんが……とても美味いとは言えない代物ですよ?」
「だが、その合成食ってのを現在この世界では多くの者が食ってるんだろ?」
「ええ、まぁ」
「なら頼む。一応この世界で食われている合成食ってのを食ってみたいんでな」

 この世界で不味いと言われている合成食というのが、実際にどれ程の味なのか。少なくてもそれを確認しておく事は必要だろう。
 そんな俺の思いが伝わったのか、あるいは単純に物好きだと思われたのか。ともあれ目の前の軍人は素早く敬礼するとシュークリームを大事そうに手に持ちながら部屋を出て行く。
 さて、後は来るのを待つだけだな。その間にコンピュータでこの世界の事でも調べて時間を潰すか。
 そう判断して、コンピュータを起動させてから操作していく。
 恐らくこの部屋は監視されてはいる可能性が高いが、今は特に何か見られて困る真似は……ああ、もしかしてさっきの軍人が貰ったシュークリームを検査するとかで没収されたりするのか? まぁ、それならそれでいい。
 そんな風に考えつつ、この世界について調べていく。
 こうしてみると、つくづくこの世界はよくもまだ保っていられるよな。地図を見る限りだと、既にユーラシア大陸の殆どをBETAに占領されているってのに。ヨーロッパ方面はイギリスが何とか頑張って食い止めており、アフリカの方はアラビア半島でなんとかBETAを押さえ込んでいる、と。
 で、アジア各国が去年からオーストラリアに協力を求めて亡命政権と言うか、国家機能を移してきているのか。
 となる
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