第二の晩 (1)
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のに邪魔された感は否めないけど...」
嘘つき小娘どもめ......。
昔だったら、問答無用で虜褥の刑だ。だが、本音も織り交ぜていたから許してやろう。寛大になったな、俺。
「お前らの時間軸と俺の時間軸にはズレがあるのは説明しただろう。お前らが言う、さっき旅立ったのは300年前の俺だ。しかも、この世界は全てにズレが生じている。言うなれば、全てがイレギュラーな世界だ。
...さて、お前らに注意事項がある。これは俺のゲームだ。邪魔をしたら、お前らを消す。おっと...盤上が動いたみたいだな。
じゃ、俺は戻る。戦人、しっかり考えてくれよな」
やや早口で伝え、俺はゲーム盤に戻る。
その最中、戦人たちの会話が耳に届く。
「アイツは、何者なんだ?」
「神様よ」
「悪魔よ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
盤上に戻ると、何人か居なくなっていることに気が付いた。
留弗夫、霧江、秀吉、源次の4人か。
「なあ、戦人。今、ここにいない奴らはどこに行ったんだ?」
「親父と霧江さんは自室。源次さんと秀吉おじさんは見回りに行ったぜ。今はバラバラにならない方がいいって言ったんだけどよ」
「...ふーん。じゃあ、留弗夫のを貰うか」
「貰う? 一体、何を...」
「タ・バ・コ」
2本の指だけでジェスチャーしてみせる。
戦人から、1人で行かせるわけないだろ、と釘を刺された。
「当たり前だ。留弗夫たちが泊まってる部屋知らんからな。誰か、案内してくれ。......あ、真里亞は留守番な。あと、朱志香と絵羽も」
「えー。狼さんと一緒にいくの。うー!」
「ダメだ。朱志香も真里亞もレディだろ。絵羽はタバコ嫌いだしな。これでも、俺なりに気を使っているんだ」
メリケンサックを隠し持っているとはいえ、俺に適うわけはない。真里亞とて、理由は同じようなものだ。
一同から疑心に満ちた視線を送られるが、それに一々ツッコミを入れる漫才趣味は持ち合わせていない。早く、誰か答えてくれ。
「じゃあ、僕が案内するよ」
「兄貴...」
「何か不満があるかい?」
にこりと微笑む瞳の奥に、残酷さを織り交ぜた冷酷さが滲み出る。その矛先は俺。それも、俺以外には感じさせないという代物だ。
「いいや。じゃあ、エスコートを頼む」
「お手をどうぞ」
皮肉の言葉を受け取り、ロープで縛られた手を差し出す。譲治は手を取らずにロープを掴み、歩き出した。
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