第二の晩 (1)
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に作って誰が食べると思ってるんだ。
冷静に戻った2人が、申し訳なさそうに俯いた。
「ママ、見て。狼さんと作ったの。食べて、食べて!」
「......ま、真里亞。ママが食べていいの?」
「うー!」
小さな手に、小さな丸いおにぎり。俺が持っている食べかけの大きなおにぎりを見て、楼座の表情が穏やかになる。
娘の女の子らしい行動に安堵しているようにも見えた。
「おいしいわ。ありがとう、真里亞」
「本当!?」
「ええ。とってもおいしい!」
楼座が笑うと真里亞も笑顔になった。
さて...問題は、この山盛りのおにぎりたちをどうするか。流石の俺でも、いっぺんにこの量は気が引ける。...無理ではないが。
いい雰囲気の親娘をそっとしつつ、俺を括り付けていたロープを解いた絵羽に広間へ運ぶことを提案する。育ち盛りの奴もいるし、と二つ返事で了承した。
広間へ運ぶと、皿の大きさと山盛りのおにぎりに爆笑が起こった。
作り過ぎだろ!と皆が口を揃えて言う。作ったのは俺じゃない。だが、ここはあえて黙っていよう。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「おい、ベアト。アイツは何だ?」
「ん? なんだ戦人。ローが気になるのか?」
「アイツは...どんな奴なんだ」
“そういうのは、本人に聞いたらどうだ?”
「......なんだ。まだ始まって間もないだろう。何が不満だ?」
「い、いや...」
「............」
イライラするな。一発くらい殴っとこうかな。
いや、それよりも、この世界に干渉しようとしている彼女たちを迎えるのが先か...。
空間が歪に捻じ曲がり、そこから2人の少女が現れる。
1人は、黒に白いフリルの付いたドレス。猫のような黒くて長い尻尾には、赤いリボンと鈴が飾られている。
もう1人は、ピンクのドレスにポップな小物を張り付けており、活発さが見て取れる。
「なんでアンタがここにいるの!?」
「なんでアンタがここにいるのよ」
全く同時に叫ぶ。それは、悲鳴にも聞こえる。
相手が誰だろうと悪態を突くところは変わらないな。
「おいおい。お前ら、いつからそんな口がきけるようになったんだ?」
面と向かって悪態を突けるようになったとは思えないが、これは喜んでいいのだろうか。
2人の顔色が悪くなっていくのは、俺のせいか?
「ごめんなさい。貴方、ついさっき旅立ったばかりだったから驚いてしまったのよ。ラムダはともかく、悪気は無いわ」
「ちょ、ちょっとベルン!? わ...私だって、悪気があったワケじゃないわよ。まあ、せっかくベルンとイチャイチャしてた
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