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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第25話「キリシマの弟子」
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が悲しみを思い出した直後、大聖堂の奥からアルバートが姿を現した。
アルバートの顔を見た途端、ハルの表情は一気に沈んだ。
「なんだい、その顔は。ヘタレな君は上司のパワハラに耐えられないかい?」
「え、この長期任務は嫌がらせだったんですか?」
「ヘタレ克服のための“愛のムチ”ってやつさ」
「愛を全く感じない………」
上司の無茶な任務がパワハラだったと今さら気づくヘタレ悪魔狩り。
そのヘタレを克服させるためにパワハラという荒療治に出た上司。
2人の会話に、自然と場の空気が和やかになった。
「さて、戻って早々で悪いけど、また仕事が更新された」
「ちょっ………帰ってきてまだ10分………」
「今度はキリシマと一緒にロシアに向かってもらうよ」
「………」
諦めたような表情を浮かべると、クリスとアリシアが同情するような表情でハルを見ていた。
「えっと………頑張って下さい、ハルさん」
「今度はキリシマも一緒なんだから、楽勝よ」
2人なりの励ましは、ハルの心には全く響かなかった。
その理由はアルバートに無茶な仕事を任されたことだけではない。
「…………………………行くぞ、“弟子もどき”」
「ボクとうとう弟子ですらなくなったんですか、“
先生
(
ししょう
)
”」
―――【ロシア・ウラジオストク】
「………………ここか、“グラーシャ・ラボラス”とやらがいた場所は」
「みたいですね………アリシアさんすごいなぁ……上位悪魔を相手に殴り合って………」
2人が訪れたのは、かつてアイリスとアリシアがグラーシャ・ラボラスと交戦した廃工場だ。
アルバートが2人に与えた仕事は「廃工場の再調査」。
実はアイリスとアリシアの帰還後、アルバートが単独で廃工場とその付近を調査した。
上位悪魔と交戦したという報告を聞き、少し気になったからだという。
廃工場付近にいた一般市民からこんな話を聞いた。
「廃工場からひっきりなしに爆発音が聞こえた。大きな爆発音の直後に壁の破片が飛んできた」
ひっきりなしに聞こえた爆発音というのは、アリシアとラボラスが暴れていた音で間違いないだろう。
しかし、その後の大きな爆発音は、アイリスとアリシアがその場を去った後の時間帯に聞こえたらしい。
アルバートはそれを「別の悪魔の出現」と考え、動ける人員の中で最強クラスの悪魔狩りを派遣した。
そして、その最強の弟子も一緒に。
フジムラ ハル。
日本出身の悪魔狩りで、キリシマ ソウヤのもとで3年間悪魔狩りとしての経験を積んできた。
臆病な性格を除けば、戦闘スキルはかなりのものだ。
“ルークス・ソーリエ”
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