第七十一話
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来るまでに、内部の情報を探っておくのは理にかなっているが、思い切りが良いというか何というか。
……さて、央都《アルン》の外れにある高い宿泊施設を出ると、俺たちを色鮮やかな雑多な景色が出迎えた。先日来た時には夜だったということと疲労もあり、まともに見ることも出来なかったが……シルフの首都である《スイルベーン》のように統一された美しさではないが、また違った美しさを誇る多種多様な建物と、レプラコーン領以上の活気を発揮するプレイヤーたちの姿がそこにはあった。
……そして、どうやら宿泊施設にプレイヤーの姿が見えなかったのは、メンテナンスが終わってすぐだったからではなく、もうフィールドに出て行っていたかららしい。はて、俺も少し遅れたとはいえすぐにログインしたはずなのだが、ネットゲーマーというのを甘く見ていたのだろうか……
「わぁ……!」
俺のくだらない考えはリズの歓声で中断される。彼女の視線を追ってみると、そこにある物は――世界樹。この世界のどこにあろうと見えるソレは、この直下においてはなおのこと巨大に見える。雲をも突き抜けていく巨大な樹は、宇宙まで延びているかのようでその頂上は見通せない。
「あれが世界樹……」
圧巻のその光景に誰かがそうやって呟いた……もしかすると自分だったかも知れない。しかし、そう圧倒されるばかりはいられない。今から俺たちは、そこを踏破しなくては――飛翔でも踏破というのかは知らないが――ならないのだから。
「木の幹を登っていったりは出来ないのか?」
その光景からいち早く復活したキリトが、何とも夢のないことを呟いた。流石、アインクラッドの外壁を登っていこうとした奴は言うことが違う。
「木の近くと雲の上に障壁が張ってあるらしいよ。破壊不可のね」
どこかで調べてきていたらしく、暗記していた数式を思い出すかのように訥々とレコンは語る。そもそも障壁が無かろうと、あれだけ高ければ飛んでいる間に飛翔する時間に限界が来るし、木登りはどう考えても筋力値が足りない。……キリトはともかくとして。
「そうか……じゃ、とりあえず根元まで行ってみようぜ」
「さんせーい」
リーファとレコンの先導で世界樹へと向かう大通りを歩いていくと、ほどなく世界樹の内部へと入るための入口が見えてくる。大通りには大量のパーティーがいたものの、世界樹に近づくにつれてそのパーティーの数は少なくなっていき、いるのは観光目的の者ぐらいか。
それは世界樹の攻略が不可能であると、ここにいるプレイヤーたちが考えているという尺図のようだった。
「やっぱ大きいわねー……」
「何を今更……キリト?」
大きな石段を上り巨大な門を潜っていき、もはや大きな壁にしか見えなくなった世界樹を見て、そう呟くリズ
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