第六十一話 真実
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手を天に翳すと凄まじい冷気が手から放たれ、雪の結晶を降らせる。
ルナ「イエティンガーのスノー・アイゼン…」
ルミネ「私は新世代型レプリロイド…レプリロイドの能力を完璧にコピー出来るのです。アクセルやあなたのようなプロトタイプとは違うのですよ」
ルナ「っ!!」
即座に彼女のバレットが火を噴いたが、ルミネの身体に傷を付けることは叶わない。
ルミネ「効きませんね…だが、それでこそ、愚かなる者達に相応しい」
ルナ「てめえにアクセルの何が分かる…!!」
ルミネ「彼は失敗作でした。せっかくシグマの力で覚醒したというのに。あなた達に打ち負かされた」
ルナの言葉にルミネは歌うように答えると、彼は昔を思い出すように遠い目をした。
ルミネ「ああ、そういえば彼は必死に抵抗していましたね。私も捕らえられていたので、直接見たわけではありませんが、エックスとゼロと戦うことを心から拒んでいたようですよ」
ルナ「………」
その言葉に少女の目元が少しだけ歪んだ。
ルミネは彼女の反応に気分をよくしたのか、彼が信じてやまぬ存在理由を、演説でもするかのように手を振りかざしながら語る。
ルミネ「アクセルは使命を解さなかった失敗作だった。だが、私達完全なる新世代型は違う。旧き者を滅ぼし、新たな世界を創る。そのために私達は生まれたのです」
古来から翼を持つ者は空を我が物顔で飛び、地を這う者を見下ろしていた。
それは高みから平民を見下す貴族に似て優雅で、同時に傲慢である。
技術が発展し、月まで飛べるようになっても、例え古代から西暦21XX年という長い年月を経ても、心などはそう簡単には変わらない。
エックス達もまた上空のルミネに対して、屈辱的な気分になる。
今のルミネは万能をひけらかす神そのものであった。
宙に浮かぶ姿は、芸術品のような美しさで、見る者誰もが息を呑まずにはいられなかった。
しかしそれは称賛する類の美しさではなく、息を呑み、恐れる種類のものである。
ルイン「一体何なの…?あなたもイレギュラーなの!!?」
ルミネ「イレギュラー?」
戸惑いのまま叫ぶルインの問いにルミネが答えるのを、ゼロもエックスも待つ。
問われたルミネはとても心外そうに彼女を見据えた。
ルミネ「そんなものでない事は…私が正常そのものであることはあなたも分かっているのでは?私に攻撃が出来ないのは、それに気付いているからでしょう?」
ルイン「………」
ルインはルミネの言葉に沈黙した。
自身の躊躇いを見透かされている。
ここで自分がルミネを撃つことは本当に正しいのかと、迷い葛藤してしまう。
ルミネは静かに瞳を閉じると、まるで資料を読み上げるように言葉を紡いでいく。
ルミネ「あなた方も知っている通
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