第9話
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査部から報告してくれ」
と副議長席の男性が声をかけた。
「は、報告します。一週間前に沖縄県の本島で旅行中であった、東京都の「国立音ノ木坂学院」の2年部が突然消息不明になり、付近の警察職員が調査に乗り出した時、無線連絡で「巨大な鳥が...」との報告後に無線から何かをかみ砕く音の後連絡が不能になった為に、付近の自衛隊が出動後、完全に破壊されたバスを発見、付近を調査したところ、海岸に多数の正体不明の足跡と共に人間の靴だろうと思われる足跡は発見しました。なお,現在の所、襲撃者及び生存者の情報が入っておりません」
と眼鏡を掛けたスリーピース・スーツで、ベルトは使わずにボタン留のサスペンダーを着用した男性が説明を終えた。
「説明ありがとう」
と議長が言った後、今度は、生物関係部署の鳥類専門家の女性が説明に入った。
「皆さん初めまして、ただいま説明のあった「巨大な鳥」と報告があったように私たちが付近を調査した時、巨大な白いペリットの山が発見されました」
「すみません、「ペリット」とは?」
「はい、ペリットとは、消化されずに口から吐き出された物を指します」
と、話の途中ながら、質問に答えた女性が答えた。
そして、次の言葉で一段と会議室は静まり返ろうとした。
緊張する空気を払拭するように、手元にあったミネラルウォーターをコップに注ぎ一口飲んだ後、鳥類学者の女性が言葉を続けた。
「では、先ほどの続きを申したいと思います。沖縄本島で起きた襲撃者の犯人が残したとされるペリットについて、国立遺伝子研究所の協力を仰ぎました。その結果とんでもない物が発見されました」
「とんでもない物とは」
「はい、ペリットに含まれた物の中に染色体が発見されました」
「ただの染色体がとんでもない物なのかね?」
とその話を聞いていた一人が呟いた。
「はい、それが只の染色体の方が良かったかもしれませんが、その染色体は「一対」しかないのです」
「一対?確か染色体の数って」
「ああ、人間なら23対、ニワトリなら39対、アマガエルなら12対だったはずだが」
と、生物部門の男性陣が話し合った。その話を聞いていた女性が話を続けた。
「はい、生物部門の先生方がおっしゃる通りです。が、今回採取された物には、何時いしか存在しておらず、しかもその染色体には、無駄な部分が一切ないというのも報告書にありました」
「無駄が無いだと!」
と会議室の一角に構える生物分野の科学者、技術者などが一斉にざわついた。
「はい、生物の進化には必ず無駄や欠陥がある筈なのですが、この染色体にはそれらの家庭が一切ないとの報告です。また、この染色体には、「XX」の他に「YY」のタイプもあり、単為生殖が可能と言う結論も出ています。現在の遺伝子科学上その様な事は確実に不可能だと報告書にはあり
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