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日向の兎
1部
23話
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じた筈の私がここにいて、自分の筋書き通りに進んだことで悦に入っていたのを邪魔されたのだからな。
だが、それは私にとっても同じ事だ。さっさとこの紙を見せてやりたくてたまらないのだよ。
「この書類に目を通してみてください」
「そんなものは後で……」
「いいから見ろ」
「ひっ……」
ガトーは小さく悲鳴を上げて、恐る恐る私の差し出した書類に目を通すとその顔色が目に見えて青くなっていった。
「私の……解任書だと……?」
「さて、強盗、恐喝、殺人、麻薬取引、その他諸々の罪で貴様は法によって裁かれることになるが……火の国と水の国、どっちに裁かれたい?
私としては水の国がオススメだ、一瞬で裁判が終わるぞ?十中八九、忍に脳髄の奥底まで暴かれての処刑だが……なに、一月ほど耐えれば終わる。
加えて、再不斬を雇っていた人間を引き渡したとなれば我々に謝礼も幾分かくるだろうな。そら、ハッピーエンドだろう?」
「ふ、ふざけるな!!私はガトーカンパニーの社長だぞ!?世界で有数の金も「元社長だ。貴様の財も既にお前の会社だったものが手を回している」
「そ、そんな……」
ガックリと膝をつくガトーを見下ろしてから、後ろの彼が率いていたならず者達に視線を向ける。ならず者達はガトーに支払い能力が無いと見るや否や、周囲の村から略奪してでも金を得ようと考え始めたようだ。
手始めに私とガトーから身包み剥ごうという所か……ふむ、確かに小娘と老人ならばそれくらい容易いな。
しかし、生憎と今の私は白を手に入れられないという事でイラついているのだ。
悪いがならず者諸君、私の八つ当たりの相手になってもらうぞ?
心配するな、半分くらいは生きて帰れるようにしてやろう。





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