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魔法科高校の有能な劣等生
過去の掟
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少年の心は病んでいた。
人間の自分の人格を削除、自ら望んで少年は心を消した。
病んでいた。確かに病んでいたが少年は何も望まず他人の命令を優先した。
それが原因で少年は自分の心を人格を消した。
他の自分以外の命令を優先するなら自分に心は必要ない。

「零?」

少年の声に俺は振り向いた。
振り向いた先には俺と同年代の少年 藤宮 介が立っていた。

「無月 閻魔様が・・・呼んでる」

緊張してるのか介の言葉は途切れ途切れで言葉の間が長い。
数日前、親の命令で「友達」になった慣れない人間だが父親の命令は絶対「友達」の素振りで会話する。

「ああ・・・・」

短く一言で告げた。
父親 無月 閻魔の命令で「友達」を演じているが実際、俺は友達を知らない。
辞書で調べても他人に聞いても結局、俺の脳では理解出来なかった。
ジジが一番優良な情報を持っていたが、その情報は俺に決して遂行出来ない難問で実行を保留にしている。

「零、」

「なんだ?」

藤宮 介の一言で意外感を覚えた。
介は数日前から俺の家、無月家で預かっているのだが介は滅多に口を開かない。
俺と同等、それ以上の会話嫌いとて適当に判断していたが一日に二回も会話するなんて。

「君は・・・一人・・なの?」

「質問の意味が解らない」

「え、あ、その」

キツく言った訳じゃないが泣きそうな表情で介は戸惑っている。
対応に困るが一応、対応する。

「何が言いたい?」

普通にシンプルに言った。
すると返答が返ってくる。

「君は・・・何時も・・・一人・・だから」

途切れ途切れの口調で最後の方は声が小さ過ぎで聞こえない位の音量、大体、介が何を言いたかったのか大筋、解るが、その質問の意味が不明で本当に対応に困る。
俺が変なのか?藤宮 介が変なのか?

「一人の方が気楽だからな」

実際、気楽だ。
会話に余計な体力を使わない。外で遊ばない。服が汚れない。家の門限に困らない。
友人と呼べる人間も・・・居ない訳じゃない。
が、最近は家の事情で忙しいらしく会っていない。

「寂しく・・・ないの?」

「寂しい?」

「一人だと・・・僕は・・悲しいよ」

普通の人間のマトモな感情が、今の俺には理解出来なかった。
一人だと悲しいのが普通なのか?脳に「悲しい」を検索しても回答結果は不明、普通が理解出来ない俺に「悲しい」は理解出来ない?

「俺は悲しいと思った事は一切無い」

自分の中の記憶を検索、「悲しい」「哀しい」記憶なんて当てはまらない。

「そ、そうなの?」

「悪いな。
俺は普通の人間の当たり前を理解出来ない」

足を一歩一歩前に俺は前進した。
会話は体力の無駄と判断した結果
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