紅霧異変
Part12 無双の『妹』
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たような表情を見せて、見取り図の端を指差し、
「この『赤い霧』を操作するための『核』がここにある」
核・・・!?
「この霧はお嬢様の出したものだけど、本来、この霧は長時間その場に留まり続ける事は無くて、短時間で霧散してしまうの。その霧の流れを操作する核が必要ってわけ」
赤い霧を制御するための核・・・、マザーコンピューターみたいなものか。
あ、もしかして咲夜が俺の元に来た理由は、
「私と妖精メイド達で防衛中なんだけど、念には念を。というわけで貴方来なさい」
咲夜直々の命令。しかも内容は『核』を守れときた。
核・・・つまり敵の注意を一手に受けるであろう部分を任される、という事だ。
「あのですね、咲夜さん。実は私、携帯の充電が・・・」
無い。と言おうとした瞬間、咲夜の手に握られた銀のナイフが光を放った。
いや、気がしただけなのだろうが、何故か『断ったらやられる』気がしてならない。
「え、と、その・・・ま、任せて下さい・・・」
「宜しい」
咲夜はそう言うと、その首元にぶら下がっている懐中時計に軽く触れる。
直後、咲夜の姿が虚空に掻き消えた。
残された俺は、とりあえず頭の中で情報を整理し、次にやるべき事を・・・。
「あれ・・・?」
これはやばい。
色んな意味で、主に咲夜に刺されるという意味で。
「・・・あ、やっべ。道分かんね・・・」
さて、もし俺が間に合わなくて、異変解決者達がその核の破壊に成功してしまった場合、間に合わなかった俺に、果たして何本のナイフが襲い来るか。
充電が無い俺に、そのサウザンドナイフがかわせるのか。
答えは、
「クッソがァァァァァァ!!」
猛スピードで走った。
『核』なんて正直どうでもいいが、自分の命は軽視できない。
床を蹴り、空気を裂き、ただ我武者羅に足を進める。
自分の命を守るために。
大事な事だから二回言うが、自分の命を守るために。
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