紅霧異変
Part12 無双の『妹』
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は一気にパニックを引き起こす。
「や、ヤベェヤベェ!!いま異変中だってのに流石にこれはねェぞ!!」
思えば『咲夜戦』『魔理沙戦』『罪袋戦』と、立て続けに携帯を酷使してきた。そりゃ切れるだろう。
・・・まあ、三回ほど戦って三回とも勝利できていない訳だが。
「クッソ!・・・って、よく考えたら能力使って100にすりゃあいいだろ」
早速行動。まずはアプリを再度起動して
「充電残量をひゃー」
そこで、ピーーー!という甲高い音が鳴り響いた。
携帯の画面が落ちる。
真っ暗な画面に視線を落とし、同時に気分も落ちた。
「・・・これってさ、もうサボれって事なんだよ。うん」
もう自室に篭ってサボる事を決意した。そもそもこの状態で参加したところで、今度は自分の首が落ちる事は目に見えている。
もうこの世界は容赦ない事くらい分かった。そりゃメイドがナイフを投げてくるような世紀末状態。 もっと早くに気付くべきだったか。
「とりあえず、今のところ会いたくないのは咲夜だな。会ったらサボれなく・・・」
そこまで呟いた直後、背中がゾクリと震えた。
いる。背後に、彼女が。
ゆっくりと、恐る恐る振り向いた。
そこにはメイド服に身を包んだ『十六夜咲夜』が佇んでいた。
咲夜はおもむろにナイフを手の中で弄びながら、ゆっくりと口を開く。
「気のせいかしら?なんか『サボる』って言葉が聞こえた気がしたのだけれど」
「空耳じゃないですかね?」
口笛をしながら明後日の方向へ視線をずらす。正直、口笛なんて出来た試しが無いが。
当然のように空気が空回る虚しい音が鳴る。だがしかし、少しでもバカしてないと素直に咲夜の方を見れない。
咲夜はそんな虚しい俺を見てか、一息ため息をついてナイフを下ろした。
「全く・・・まあいいけどね、貴方が何のためにここへ居るのか、今一度考え直してみれば?」
と咲夜は言うが、能力の使えない自分など何の役に立つのか。そうだな・・・某アニメのヤ◯チャみたいに背後で技の解説でもするか?
「・・・あ!そういえば・・・」
思い出した。ポケットの中に入ってるアレを。
幻符『ドッペルゲンガー』
フランから貰った我が家宝。
「これなら使えるか・・・?いや、でも効力が分からない以上・・・」
「どうでもいいけど、サッサと働きなさいよ」
どうでもいいって・・・俺からしたら命に関わるというのに・・・。
って、あれ?
「そういえば、咲夜さんはこんな所で何を?別に空気を読んでご降臨なされた訳じゃないですよね」
空気を読んで来たのなら違う意味で怖いが、その辺りは深く考え込まないようにしておこう。
対して咲夜は呆れ
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