暁 〜小説投稿サイト〜
東方紅魔語り
紅霧異変
Part12 無双の『妹』
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 敵がそこまで言った瞬間だった。
 首が内側に潰れた。
 先程まで離れた場所に立っていたフランドールが、その罪袋の首を恐るべき握力によって握りつぶしたのだ。
 接近を許した罪袋達は即座に距離を取ろうとする。
 だが、

「はい残念」

 フランドールの凶悪な笑みと共に、その罪袋達は音もなく爆散した。
 フランドールは一歩も動いていない。

「確かに『吸血鬼』の本質はさっき言った通りだけど、『私』の本質は違うんだよね」

 残された罪袋がフランドールに殴りかかる。その行動に躊躇は無い。
 対してフランドールは口で息を一気に吸い込み、放った。

『ワッッッ!!!!』

 可愛らしい声がフランドールから響くと同時、罪袋に異変が起きた。

 『吸血鬼』。その種族は身体能力がえげつない程高い。
 一瞬で敵との距離を縮める事もできれば、一瞬で敵の命を毟り取る事もできる。
 そしてーー。

 そのような高速運動する吸血鬼は、その肺活量も凄まじい。

 フランドールの口から放たれた空気の塊は、一切の容赦無く罪袋へ襲いかかった。
 その威力は正に『大砲』。
 直撃を許した罪袋の皮膚は消し飛ばされ、次に肉、骨、と無くなっていく。
 罪と書かれた袋に傷一つ無いのは不思議だが、それでもその破壊力は検証された。
 バラバラに、原型を残さず、綺麗に吹き飛ばされる罪袋。その様子を見ながら、フランドールは退屈そうにあくびをした。

「はー。楽しそうだから来てみたのに、これじゃただの『作業』だよね」

 そう言いながら、フランドールは自分の右掌へ視線を落とした。

「もういいや。終わらせちゃお。あの変な生き物達、よく見てみたら『目』が全部一緒だし」

 その手に赤い光が宿る。

「同じ『目』を量産して、と」

 右手を見ながら、フランドールは薄っすらと笑みを浮かべた。

「さぁーーて、せーのーーー!!!」

 掛け声と共に、その右手は天に掲げられる。


 そして、右手は閉じられた。




「おいおい、どーなってんだ?」

 ただいま現在進行形で罪袋達と戦っていた訳だが、どういう事か、全ての罪袋がいきなり爆発した。

「この有波ようやくの活躍時と思ったのに・・・誰だよ、俺の出番とったの・・・」

 いや、まさか非公式で罪袋達は自爆機能でもあったのか?と思ったが、そんな誰得な機能などつける必要は無いだろう。

「はあ・・・まあいいか。とりあえずアプリを切って・・・」

 そこで気が付いた。
 ようやく互角に戦えるレベルの弱い敵に会えてテンションが上がっていたのだが、そのせいで充電への注意が疎かになっていたのだ。
 あと一ミリ程度しかない残量を見て、俺の頭
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