追憶-レミニセンス-part1/恋するルイズ
[4/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ます。なぜ、あのお優しいシャルロット様がこのような目に合わねばならぬのでしょうか…」
語っているうちに、ペルスランは涙を浮かべていた。平民出身のようだが、それでもタバサをはじめとしたオルレアン家への忠誠心は貴族にも匹敵する故、さぞ悔しくて満足に夜も眠れない日々が続いたに違いない。
「タバサ…」
キュルケは、いたたまれない気持ちになった。タバサの二つ名は、雪風。その名の通り、彼女はずっと冷たい雪風に当てられ続けてきたのだ。
すると、タバサが客間に戻ってきた。ペルスランは静かに一礼し、彼女に一通の手紙を手渡した。
「王家からの指令です」
タバサはそれを受け取る。文には、『プチ・トロワへ来るように』と記されていた。ペルスランが語ってくれた、例の危険任務の指令を受けにくるよう王家が命令しているのだ。
友人の、あのような辛い過去を聞いた以上無視することができなくなった。たとえタバサが反対しても、友達であるタバサのために杖を振うことをキュルケは、決意した。
前回のルイズとサイトの活躍により、銃士隊に逮捕されたチュレンヌは城の尋問部屋にて、アニエスからの尋問を受けていた。
木製のテーブルで向かい合う形で座らされたチュレンヌに剣よりも鋭い目で睨みつけながら、アニエスは言った。
「チュレンヌ、私の言いたいことはもうわかっているか?」
「さ、さあ…何のことやら?」
ここにきてもすっ呆けるチュレンヌ。思った通りの反応だった。こいつは自分さえ助かれば、儲かりさえすれば他がどうなっても構わないと考える小悪党タイプだ。だからこれまで裏方で平民の女性を無理やり自分の屋敷に連れ込んだり、裏金で地元の衛兵たちを丸め込んだり、今のようにすっ呆けもする。しかし、どんなにすっ呆けたところでアニエスは決して諦めたりはしない。チュレンヌの胸ぐらをひっつかみ、鬼さえも寄せ付けがたいほどの形相でチュレンヌに向かって怒鳴り散らした。
「さあ言え!あの怪獣を誰にもらってきたのだ!」
「ひぃ…!」
さっきまで余裕こいていた…いや、それももうすぐ自分が罰を受けることになるのを悟り、それでもなお悪あがきをしようとしたための虚勢だったのかもしれない。
「し、知らない!あいつは私に雇われたいと言ってきて…」
「喋らなければ貴様の耳を削ぎ落とすぞ!!」
「ひ、ひいい!!話します!話じまずがら殺ざないでええええ!!!」
なんとも情けない悲鳴と泣き顔をさらけ出したチュレンヌは懇願する。なんとも情けない。これがチクトンネ街を牛耳っていた男なのか。こんな小悪党貴族がここ数十年もの間のトリステインでは蔓延しつつある。貴族は平民の模範とはよく言えたものだ。そのことにかこつけて影ではあらゆる非道を重ねている。アニエスは確かに貴族ではあるが元は平民だ。それも、貴族に対する強い嫌悪感を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ