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101番目の舶ィ語
第二章 消えた花子さん
第六話。俺の妹(従姉妹)とクラスメイトがこんなに可愛いわけがない!
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家庭料理でも十分、お金が取れるレベルだと思う。

「どうですか?」

「美味しいよ。
こんな美味しい料理が食べれるなんて幸せだよ。
きっと理亜は将来いい奥さんになるね」

「お、おお、奥さん??」

中学生相手に奥さん呼ばわりは流石に早すぎたのか、理亜は熱が引いて元に戻っていた顔を再び赤くしてプルプルと震え始めた。

(しまったな。やっちまった……)

ヒステリアモードとは言え、時間が経った事もあり、血流も収まってきたせいで理亜にとって触れてはいけない話題を話してしまったみたいだ。

「ごめんな。理亜。
奥さん呼ばわりは駄目だったな」

俺は言ってしまった言葉を訂正しようと謝る為にそう言ったが______

「駄目じゃありません。嬉しいです。
兄さんにならもっと言ってほしいです」

「え?」

「あっ……。
そ、その……違います。違いますからね!
そういう意味じゃないですからね!」

両手の掌を振って違います、と発言を否定する妹様。
慌てて否定しだしたが妹よ。
そんなに全力で否定されると兄としては落ち込むぞ。
そんな心境を知ってか「はふぅ……」と溜息を吐いた理亜。
今の「はふぅ……」は何か心配事がある時に出る「はふぅ……」だと記憶で知る。
こんな時にはどうしたらいいのか?
それは______
理亜に近寄り、俺は彼女に『許可』を求める。

「理亜。ちょっと触れてもいいか?」

「え?あ、はい。ガマンします」

理亜は極度の潔癖症だ。
それは掃除や家事の事だけではなく、人や物にも当てはまり、男女関係なく気軽に触れられるのを嫌がる。
その嫌がりようは尋常ではなく、他人が理亜に触れようとすると彼女の身体が勝手に反応して避けてしまうくらいに異常に敏感だ。
そんな理亜だが、前もって伝えれば親しい人や心を開いている人になら我慢して触れさせる事ができる、と記憶にあった。
理亜に一声かけた俺はその頭の上に掌を乗せて力を軽くして撫でた。

「あ……」

「大丈夫か?」

「あ、はい。兄さんなら大丈夫です」

この日は理亜が寝るまでヒステリアモードが続く限り、彼女の頭を撫でた。





2010年5月12日。午前8時。一文字家。

翌日。
理亜に起こされて彼女の朝食を食べた俺が登校する為に玄関の扉を開けて外に出ると______ビックリするようなイベントが待っていた。

「おはようございます」

家を出た瞬間、目の前に蒼青学園の制服に身を包んだ一之江が立っていた。

「待ってたのか?」

美少女が登校前に自宅前で待っているこの状況。
俺が憑依する前の以前の俺、一文字疾風なら心から喜んだだろうな。
だが、この俺はそんな気分にはなれない。
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