第二章 消えた花子さん
第六話。俺の妹(従姉妹)とクラスメイトがこんなに可愛いわけがない!
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「もう、兄さん。降りて来るの遅いです!」
一階に降りてリビングに入ると、テーブルの上に出来立ての料理を並べていた従姉妹の理亜が俺の姿を見かけるやいなや、そう声をかけてきた。
「ごめんよ。せっかく作ってくれた料理が冷めてしまったね」
ヒステリアモードが続いていた俺は理亜に近寄った。
「い、いえ……温め直しましたので大丈夫だと思いますけど」
「それは悪いことをしちゃったね。せっかく理亜が作ってくれた料理を冷ましてしまったなんて兄失格だ。
でも理亜の料理は美味しいから冷めても食べるのが楽しみだよ。
やっぱり理亜みたいな子が作るとそれだけで食材が活きて、食べる時も華やかになるから美味しいのかな?」
「あ、ありがとうございます……ええっと兄さんですよね?」
「もちろん、君の兄だよ。
理亜には誰に見えるんだい?」
急に近寄ってきた俺に驚いたのかジリッ、ジリッと後ずさりながらそう返す理亜。
何だろう。側に近寄っただけで後ずされると兄として凹む。
「兄さん。何だか今日はいつもと雰囲気違くありませんか?」
「違う?
何がだい?」
「なんというか、女性慣れしてるような……。
兄さんはいつも積極的でしたけど今日の兄さんはいつもよりも、その……女の子の扱いが上手いような……いえ、気のせいですね。
兄さんにそんな甲斐性があるわけないですし」
戸惑ったのかそんな事を呟く理亜。
この子はやはり鋭いな。
俺がいつもの俺じゃない事に気づきつつあるね。
後半部分はものすごく失礼だけどね。
「お鍋を温めて来ますから、兄さんは手を洗ってうがいをしてきてくださいね」
「わかったよ。
それがすんだら俺も手伝うよ。
理亜ばかりに働かせるのは悪いからね」
「いえ。兄さんは席に着いててください。
すぐに支度は終わりますから」
「じゃあ、そうさせてもらおうかな」
「はい、ふふっ」
「どうしたんだい?」
「あ、ごめんなさい。
何だか 新婚さんみたいだなーって……」
「ん?」
「あ!な、な、なんでもないです!今のはその、違うんですからね!
そう言った意味じゃなく、でもそう言った意味もあるかもしれませんがって何言ってるんですか私??
ああ、もう……とにかく違いますからねっ!」
ものすごい早口でそう言った理亜はキッチンの方に引っ込んでしまった。
走り去る際にその顔を見たが、顔を真っ赤にさせていたがどこか体調がわるいのだろうか。
心配だな。
風邪薬の準備くらいはしておこう。
大切な妹の体調管理は兄の責任でもあるしね。
夕食はロールキャベツに、コンソメスープ、サラダに昨夜の残りのカレーだった。
普通に美味く、一流レストランとはいかないが
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