間奏曲(インテルメッツォ)
sceneT 彼女に送る名前
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ら十円玉、姫なら五十円玉、白銀の姫は百円玉、白銀の姫君ならば五百円玉を一枚いれる。枚数の一番多いものを公式のものとしようではないか。」
「議長、質問です。」
「なんです」
「同率で割れた時にはどうなるのでしょうか?」
「その時は…」
「その時は?」
「代表に決を迫ろうではないか」
「「御意!」」
「あらら…友香も可哀想に…」
「そのようなことが無いことを自分も願っている。では投票するぞ。」
硬貨が一枚一枚箱の中に投入されていく、硬貨を入れるための穴しか上には開いていないため他の誰が何を投票したのか分からないようになっている。
箱は彼女らを巡りそして議長の元に戻ってくる、最後に議長が硬貨をいれ終わる。
さすがに開票の時には不正がないように、部屋の明かりを最大にする
目をしばたかせながら議長は箱の中に入っていた硬貨を取り出す。
「結果を発表する。箱には五百円玉しか入っていない。つまり自分たちにおいて公式な敬称は白銀の姫君に決定だ。」
「「全員一致ですか!!」」
「そうだ、これからは」
「本当にこのクラス大丈夫なのかしら…」
ただひとり、北原だけは苦笑していたがCクラス「白銀の姫君ファンクラブ」の面々は満面の笑みを浮かべていたのであった。
___その後____
夏期の白い清楚なイメージを喚起させる制服は、今年から姉妹校となった聖應女学院の制服を元にして作られている。
胸元にあしらわれた蒼いリボンには文月学園の校章が刻まれている。
それが最も上げやすい差異なのだから、ほとんど同じだと言っても過言ではないだろう。
そんな新しい制服を着ている二人が取り留めもない話をしながら登校してくる。
二人のスカートの裾が踊っている。
たまたますれ違えた同級生や後輩たちが彼女たちに、特に白銀の髪を持つ女生徒に挨拶をして行く。
「妃宮先輩、おはようございます!」
「姫君、おはようございます」
「えぇ、おはようございます。今日もいい天気ですね」
「おはようございます白銀の姫、代表!」
「おはよう、私にまで挨拶するなんて余計だと思うよ?」
「そう自虐を挟まなくたっていいって代表」
一通りが終わった頃、少し疲れたような表情をしていた。
「…あの友香さん、私の呼び方がどうも「白銀の姫君」となっているのはどういうことか、心当たりは有りませんか?」
ジト目で睨み付けられた黒髪の少女はたじたじになりながら、それでも彼女に疚しいところはないので言い返す。
「……私は事後承諾させられただけよ。うちのクラスの女子がオフィシャルとして妃宮千早に『白銀の姫君』という二つ名を送ると宣言したのよ。後輩の一部もそれを聞きつけたって話じゃないかしら。」
「…どうしてこのようなことになるのかしら…」
そうぼやく妃宮を小山は傍目
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