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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
間奏曲(インテルメッツォ)
sceneT 彼女に送る名前
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短編1
裸電球の下、文月学園の某所にて秘密会議が開かれていた。
互いの顔もはっきりと見えない中、集まったのは全員で七人の女子。
中心となる議長格が厳かに告げる。
「諸君、我らは決断せねばならなくなった。」
その場にいる一同の喉が鳴る。
「妃宮千早、彼女についての決議を取る」
懐古調で語る彼女に発言を求める挙手が上がる。
「議長、質問があります」
「良かろう」
「この決定は絶対でありますか?」
いくつもの目線が議長にささる。ある意味においてこの質問はこの会議の存在自体を否定しかねないが、そのことに突っ込むものはなかった。
「本日の議題は『妃宮千早の二つ名に対しファンクラブの公式見解を決める会』だろう、個人で呼ぶのには差し障りはない。」
「はっ!」
そう、本当に当人がもしこの場にいて彼らの目的を聞いたならば即座にこの話題をすることをやめるよう必死になったであろう。
また、ここにCクラスの代表がいたならば、その思いを汲み取ってやめさせるように努力したであろう。
「さて、候補をあげていただきたい。時計回りに行こうではないか。そなたから行かれよ。」
議長の隣に座っていたその人は、少し考えてから提案する。
「そうですね、やはり今のところ一番呼ばれているお姫様はどうでしょう。」
その言葉を皮切りに、様々な意見が飛び交う。
参謀銀姫(さんぼうぎんき)は如何か。」
「縮めてお銀とかは……古くさいですね、はい。」
「お江戸な香りがするわね」
「個人としては尊称外して姫でも構わない気がしてきた」
「姫だと誰か分からないじゃないですか、それこそ彼女のクラスメイトの姫路さんを指しているように思われては折角の二つ名が…」
出尽くした感が彼らの間に広がったとき、議長がおずおずと申し出る。
「自分としてはぎんの姫がいいと考えるのだが…」
「銀の姫ですか?」
「ぎんはシルバーの銀ではなく、しろがねだとか雪に対して使う白銀が良いと考えている。」
議長は手元にあったメモ用紙に白銀の姫と書いて見せ、裸電球に近づけて集まっている一人一人に見えるようにしてみせた。
「確かに、妃宮さんの髪って白銀って感じですよね。」
「それならば、いっそのこと姫、じゃなくって姫君とかどう?折角の公式版なんだから一線画したものにしようよ」
「あ、それいいね!」
やがてわいわいがやがやと騒がしくなる彼らを議長が窘める。
「静粛に、これより票を入れてもらう。候補は次の通りだ。」
裸電球の近くにこれまで候補としてあげられた五候補が一つずつかかれたメモが並ぶ。
「前から言っていたとおり、今回はイギリス風に選ぼうではないか。」
暗闇の中、集まっていた彼らは互いに頷きながら了解を伝えあう。
「お姫様を選ぶならこの箱に一円玉を、参謀銀姫ならば五円玉を、お銀な
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