九校戦編〈下〉
九校戦四日目(5)×ほのかの波乗りと名無しの力本領発揮
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「あっ、織斑君、どうしたんですか?ほのかさんのレースまでまだ二時間以上ありますよ?」
「居心地が悪かったんでこちらに避難してきたのですよ」
首を傾げた中条先輩だったが、一真の隣にいた深雪は苦笑していた。
「兄は気にし過ぎですが、本体である名無しさんの事もですけど」
「やる気に繋がったから、結果オーライだと思うよ」
「あ、ああ、そう言う事ですか・・・・」
事情を察した中条先輩は、それだけだと鋭さを持っていると感じた。雫達の上位独占は、昼食時も称賛の的になった。幹部だけでなく、観戦していた本日オフの上級生達も、口々に雫達三人を褒め称し、エンジニアである一真にもたくさんの称賛をもらったので居心地が良くなかったからだ。功績に言及する者も少なくなかったが、男子スピード・シューティングが異常な対抗心を燃やしていたが優勝は名無しが確実だと思っているのに燃えていた。特に森崎は未だに陰口でブルームがウィードに劣る訳がないと言っていたのを聞いた護衛者が厳重注意処分をした。それを見た上級生も、森崎に向けた視線が冷たかった。
九校戦の会場は国防軍演習場の南東エリアに作られている。一エリアとはいえ、元々広大な富士演習場、各競技会場面を移動するだけでチョッとしたハイキングになるくらいの広さがある。そのくらいの広さがないとバトル・ボードのコースやモノリス・コードの戦闘フィールドは用意できない。バトル・ボードの競技コースは、曲がりくねった全長三キロメートルの人工水路サーキット。今年度から男女別なので、それだけの広さが必要なのだ。
「宿舎に戻って本体と一度合流してもよかったのですが、本体からの命で何かお手伝いがないか来た訳です」
「本当ですか!是非、私のデバイスも見て下さい!」
最近ほのかは、一真の影響なのかCADからデバイスと言うようになった。
「ほのか、それでは中条先輩に失礼に値するだろう?」
「えっ、あ、すみません!」
「気にしないで。そんなつもりじゃないのは分かってますから」
中条先輩は苦笑いしてから首を振ったが口調がお姉さんぽい口調でもあった。バトル・ボードの平均的な競技時間は一レース十五分。ボードの上げ下ろしや水路点検に、魔法で損傷した箇所があればその修復など、レースの準備にはその倍以上の時間がかかる。今年度から蒼い翼からの者で、修復するのはいつもより時間を短縮できるようにしたからかほのかのレースまであと一時間となった。
「さて、ほのかも反省したところだし、作戦の最終確認をしようか」
「はい」
最終レース開始までもうすぐなのか選手は既にスタート位置まで移動している、最後の作戦会議をしていたので、ほのかは前より緊張はない。あとは自分の力を信じるだけでもある。一真に纏
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