九校戦編〈下〉
九校戦四日目(5)×ほのかの波乗りと名無しの力本領発揮
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と、その際言っていました」
「・・・・次から次へとやってくれるな」
摩利の口調は何か不機嫌な感じに聞こえているが、沈黙自体が摩利の内心を雄弁に物語っていた。
「・・・・工夫って大事よねぇ。老師の仰る通りだわ」
真由美の見た所、摩利は自分が思いつかなかった作戦を見せられて不機嫌になっていると感じた。多彩なテクニックを売りにしている摩利にとっては面白くないレースであっただろう。
「過去九年、誰も思いつかなかった作戦ですから、ここは素直に感心すべき所かと」
「・・・・感心しているさ。だから癪に障るんじゃないか」
「ちなみに作戦プランを考えた織斑君自身も、もしかしたら自分も使うと言ってました。彼はエレメンツ使いですから、光や闇も使えるからだと思いますが」
鈴音にズバッと斬り込まれて、渋々嫉妬しているから摩利は認めたが、一真も使うかもというところで名無しが使うかもしれないと思ったに違いない。認められるだけの度量があるから、あえてツッコんだけどこれは一回限りの作戦だから決勝トーナメントでは選手全員がゴーグル着用するかもしれない事を一真は先読みをしていた。そんで俺達は観客席から水路から上がるほのかを待っていた。
「勝ちました!勝ちましたよ、一真さん!」
「見てたよ、おめでとう。次の決勝トーナメントでは、別の策でやるといい」
チームメイトばかりか他校スタッフの視線を気にもせずに、一真は素直に祝福と準々決勝の時の事を考えてから押し停めた。
「ありがとうございます!」
ほのかは目の前に差し出された一真の両手をガッシリと握り締めて、うるうると泣き出してしまった。たぶん嬉し涙なんだと思ったが、潤んだ瞳が一真の顔を見詰めだした。深雪もここまでストレートな感情表現はあまりないが、拠点にいる嫁達はこういう風に競技で勝って感情表現を示す事はある。
「まあまあ、泣くな。まだ予選突破したんだから、ほら泣かないの」
と言いながら濡れた頭を静かに手を置き、ほのかを落ち着かせようとしてしばらく経つと涙は止まっていた。涙は一真のハンカチで拭いたからで、落ち着いた分は嬉しさ半分とまだ少し泣きそうな感じだった。
「私、いつも本番に弱くて・・・・運動会とか対抗戦とかこういう競技会で勝てた事ってほとんど無いんです」
そう言いながらだったので、隣にいた雫からの情報だと戦略自体にはひどくもないが小学生の頃の話だと聞いた後に、仙術で完全に落ち着かせてから深雪がタオルを差し出した後に手を離したほのかだったけど。
「予選突破したのは、一真さんのお陰です!」
「うむ。次回からの策も任せてもらおうか、さて、ほのかが落ち着いたところで着替えてきたらどうかな?そろそろ本体である名無しが男子スピード・シューティングの
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