九校戦編〈下〉
九校戦四日目(5)×ほのかの波乗りと名無しの力本領発揮
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は水路から目を背けた、まるで深雪が使ったフラッシュのように暗闇を無くしたかのようなのが発光をした。選手が一人落水し、他の選手がバランスを崩し加速を中断した中でただ一人ダッシュを決めた選手がいた。この事態を予期していたかのように濃い色のゴーグルをかけたほのかが先頭を独占していた。
「よし、上手くいったようだ」
「・・・・これがお兄様の作戦ですか?」
サングラスを外しながら問いかける深雪の声も、呆れ声だったが光を使う者にとっては立派な作戦でもある。
「確かに、ルールには違反していないけど・・・・」
雫の声も、幾分非難混じり。フェアプレーの精神に反していると言われても仕方が無い、と感じていると思う。アンフェアなプレーがあった場合にイエローフラッグ、競技中断の旗も振られてないから問題ない。ルール違反選手の失格を示すレッドフラッグも無い、審判の中にも蒼い翼の者を入れているから事前に知らせてはいたので問題ない。なので大会委員は、ほのかの魔法を一真の作戦を合法に認めた、という事になる。
「・・・・水面に光学系魔法を仕掛けるなんて、思ってもみませんでした」
「水面干渉と言われてると、波を起こしたりとか渦を作ったとか、水面に挙動にばかり意識が向きがちではありますが、ルールで許可されているのはあくまでも『魔法で水面に干渉して他の選手を妨害する事』ですからね。水面を沸騰させるとかが全面的に凍結させるとかは危険ではありますが、目晦まし程度の事は今まで使用されてなかった方が不思議だと俺は思いますよ。俺も光属性を使えますからね、相手を目晦まししてからスタートさせるというのは策でもありますよ」
何の心構えも無く目潰しを喰らったので、すぐに視力が回復する事はない。緩やかなコースなら進めるが蛇行しているコースは視界を奪われた状態で全力疾走できないからか、ほのかと他の選手の間には既に決定的とも言えるだけの差が開いた事だった。そして独走状態のほのかとなり、三周して無事に予選突破したほのかだった。
「・・・・決まりだな」
「・・・・誰が考えたの、この作戦?」
モニター越しに見ていた真由美たちは、モニターで光量の調節が行われていたので眩しい思いをせずに済んだけど、それだけに作戦の独創性を冷静に評価し、驚きを覚えていた。まあ冷静に驚くという事らしいが、摩利の呟きに続いて発せられた真由美の問いかけに答えたのは鈴音だった。
「織斑君ですが」
「えっ、でも一真君は、この競技を担当していないはずだけど」
その答えを聞いて真由美は「あれっ?」と言う感じで首を捻る。それに対する鈴音の回答は、少し丁寧すぎるものだったかもしれない。
「作戦の具申は光井さん本人です。しかし起動式のラインナップを含めて作戦プランを作ったのは織斑君だ
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