第十三話
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ーリ。多分今までお前は認められなかったんだと思う。でもな……これからもそうだとは限らないだろ?」
俺はヴァーリの近くまで膝をつけて……ヴァーリの体を抱きしめる。鎧ごしだからかヴァーリの体温などは伝わってこないが……それでも構わない。
「少なくとも……俺だけは、お前を認めてやる」
「あ……」
「世界がどれだけお前を認めなくとも……俺だけはお前を認めてやる。俺だけは……ずっとお前の味方でいてやる」
「い、イッセー君……」
「だから……もう、頑張らなくてもいいんだぞ?」
「……う…………うぅぅうぅぅ…………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ヴァーリは鎧を解除して俺に思いっきり抱きつく。
俺はそれを確認すると……槍を手に持つ。
「ヴァーリ、今からお前の中に存在している黒い存在を取り出す。少しだけ痛いかもしれない」
「ぐすっ……黒い、存在……?」
「ああ、お前の中に存在しているそいつは取り憑いている人間に悪影響を与える。お前も感じた事はなかったか?」
「そういえば……最初は闘いが楽しいって思わなかったのに……」
やっぱり、この世ならざるものは取り憑いた人間の最も望む感情を増幅させる。
そしてその増幅させた感情を喰らってこの世ならざるものは力を手に入れていくのだ。
「だから、お前からその黒い存在を取り除く。今俺が使った透過の力を使ってな」
「うん、わかった。お願い……」
そう言ってヴァーリは両手を広げて何でも受け入れるといった体勢を取る。
「わかった。行くぞ、ドライグ」
『おう、アルビオン。待っていろ、今すぐそいつから切り離してやる』
『ドライグ、お願い!』
アルビオンの為にも……絶対に成功させる!
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
『Penetrate!』
俺が突き出した槍は……ヴァーリを貫く。
「あれ?痛くない」
しかし俺はヴァーリ自体を傷つけてはいない。
透過の力でヴァーリの体自体を透過して目的の存在だけを槍で貫いたのだ。
その目的の存在は……俺の槍の先に刺さっている。
黒い塊……この世ならざるものだ。
「ヴァーリ、こっちに来い!」
俺は槍をそのまま突き出すようにしたままさらにヴァーリの先に飛ばすように手放すとヴァーリをこちらに引き寄せる。
すると、槍が消えてこの世ならざるものだけがその場に残される。
「ヴァーリ、後ろに下がってろ」
俺は引き寄せたヴァーリを守るように後ろに控えさせる。
「わ、わかった……」
ヴァーリを下がらせると……この世ならざるものはその黒い塊から姿をウネウネと変えていく。
そして……その姿は、|白龍皇の鎧
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