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鎧虫戦記-バグレイダース-
第18話 これはカマキリですか?
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れなくなるぞ!!」

迅は息を切らしたままアスラに叫んだ。

「でも叩き起こすって言ったってどうやって‥‥‥‥ぐッ!」

アスラはそろそろ限界が来ているようだった。

 ガササッ  バッ!

茂みの中から黒い影が飛び出した。

 サクッ!

黒い影はいともたやすくカマキリ型の鎌を切断した。

「うおっ!」

アスラは突然軽くなったことでバランスを崩しかけた。
しかし、何とか持ち直した。
そして、アスラは黒い影の着地した位置を見た。
 
「お、お前は‥‥‥!!」

黒い影はゆっくりと立ち上がった。

「この程度の敵に追いつめられているとはな‥‥‥‥」

黒い影はアスラたちにつぶやいた。

「あ、アギトォッ!!」

みんなは喜びのあまり叫んだ。

「‥‥‥‥‥お前らこんなので大丈夫なのか?」

アギトはため息まじりにつぶやいた。
みんなは急いでアギトに駆け寄った。

「スゴイな!何であんな簡単に斬れたんだ?」

ホークアイは興奮気味に訊いた。
アギトは少し目をそらした。

「‥‥‥‥教えると思うか?」

ホークアイは食い下がった。

「教えてくれよ!」

アギトは少しだけ視線を戻した。

「‥‥‥‥仕方ないな」

アギトは全員の前にブレードの付いた腕を出した。

 キィィィィィィィィィィィン

ブレードは高音を発しながら振動し始めた。

「これが俺の能力、″音速裂刃《ソニックブレード》″だ」

ホークアイはへぇ、と言いつつ手を伸ばそうとした。

「触らない方がいいぞ。振動でズタズタになりたいなら話は別だがな」

ホークアイはすぐに手を引いた。

「分かりやすく言えば‥‥‥‥‥ハッ!」
「ギィィィィィィィィィィィッ!!」

 ブオッ!

カマキリ型は素早く鎌を振り下ろした。

 タンッ!

アギトは跳びあがった。 

「はぁぁッ!!」

 サクッ!

まるで、バターでも切るかのように振り下ろされたもう片方の鎌を切り裂いた。

「ギィィィィィィィィィィィッ!!」

カマキリ型は苦しみもだえている。

 ダンッ!   スタッ

アギトは斬り裂いた鎌を蹴り、みんなの近くに着地した。

「スゲェ〜〜〜〜〜ッ」

全員は驚嘆の声を上げた。
アギトはまた顔をそらした。

「‥‥‥‥‥高速で振動しているブレードは接触した物体の分子構造を分解する」

多分、照れているのだろう。彼は誰とも目を合わせなかった。

「ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!」

カマキリ型は苦痛によるものか声を上げた。
鎌の付いてない両腕を振り回して暴れている。


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