DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
体を焼き焦がされる、想像を絶する激痛に、セモンは意識を手放しかける。視界は真っ白に染まり、もはや方向感覚すら狂いだしていた。
《SO-TENN-KENN》の複合ソードスキル。光の刃で全てを焼き尽すその一撃を真に受けて、生きていられること自体が、セモンにとっては奇跡なのではないか、と思えてならない。
だが、その奇跡も終わりが近い。
どうにも、耐えられそうにない。
自分は――――ここで、死ぬ。現実世界へとログアウトする。否、もしかしたらそれすらもできずに、永遠に此処に閉じ込められることになるのかもしれない。
――――死ぬ?
薄れゆく意識の中で、セモンは一瞬だけ、強く、何かを感じる。
それは憤激。そんなふがいないことを考えた自分への。
駄目だ。自分が最初に死んでどうする。コハクはどうなる。ハザードは。シャノンは。刹那は。
「負け、られる、かぁぁぁぁ――――ッ!!」
瞬間。
何かが、カチリ、と入れ替わる気配。セモンの周囲が揺らめきだし、純白の光が薄れていく。
「へぇ……《グローリア・サガ》を受けて生きていられるのか。やはり《素質》は失われていなかったらしいね……全く、面白いほどに予想通りだ」
《主》がくつくつと笑うのを聞きながら、セモンは景色が元の色を取り戻していくのを感じていた。
痛い。
だが、それを破壊しなければならない。
「セモン!」
「悪い、コハク……大丈夫だ」
《妖魔槍》のグリーアを振り払って駆けてくるコハクを制すと、セモンは《主》を睨み付けた。
「どうした! 俺はこの程度じゃ斃れないぞ!」
「ふむ、そのセリフは《予定》にはなかったね……」
《主》が訝しげに呟く。
すべて、彼の、掌の上。そんな現実に、飲み込まれそうになる。
だが。
それを破壊しなければならない。
いや――――破壊じゃない。
「『変える』んだ」
何かに、気が付いた気がした。だがその手につかんだはずの『それ』は、すぐにふわりとどこかへ行ってしまう。
何だったのか――――。
だがその疑問思考は、もう一度答えを得る前に中断させられた。
「くおああああああああああッ!!」
絶叫を轟かせて、シャノンが此方へと吹き飛んでくる。その双巨剣の刀身はグリーア達を薙ぎ払い、確実にダメージを与えている。
「何をぼさっとしている!! さっさとコイツらをぶっ倒すぞ!!」
怒りと苛立ちに歪みきった顔と、普段はあまり見せない荒々しい口調で、シャノンはセモンに向かって怒鳴る。事態が上手く動いていないことに苛立ちを感じているのだ。
《武神六腕》のグリーアの防御力と、《帝
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ