DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十話
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双巨剣を振るうシャノン。触れた場所から、グリーア達の部位が《破壊》されていく。まるで世界から消去されたかのように、消えていく。
「《破壊》の『世界願望』……いいね。機能は低下していなかったみたいだ。台本の調整は必要ないか……」
あとは、と、《主》は。
「キミだけだよ、セモン」
奇妙なことを言って、こちらを向いた。
何を、言っている――――?
「セモン! 後ろ!!」
コハクの叫びを聞いて、セモンは我に返る。無表情なままの《神話剣》と《舞刀》が、各々の武器を操って斬撃を繰り出してくる。《神話剣》のそれは、よく見知った二十七連撃、《アラブル・ランブ》。《舞刀》のそれは、五十を超える超速の斬撃、《天桜吹雪》。
セモンの反応が遅かったせいか。彼女たちの刀身は、すでにすぐ近くまで迫ってきていた。回避は間に合わない。どうあがいても、なすすべもなく斬られる――――
「……させるか!」
そんな『どうあがいてもうまくいかない』状況を打破するには、前進するしかないのだ。後退や停滞では、それは無しえない。常に、一瞬先を見据えて。その先に、『なるべき自分』がいると信じて。
「《変わる》んだ……ッ!!」
再び、あの、奇妙な停滞感。
何かが、遠いどこかで、カチリとはまる感覚。まるで――――そう、歯車が、かみ合ったように。
次の瞬間、その歯車は、高速で回転を始めた。セモンに迫っていた刀身が、まるで《不可能が可能に変わった》かの様に、それていく。否――――セモンが、信じられないスピードで動いているのだ。
直にその超加速は終了し、後には『斬撃を回避した』という、《あり得なかったはずの結果》だけが残った。
「今、のは……」
「ああ、やっとたどり着いたんだね。長かったよ……いや、別に待つ必要とかはなかったんだけどね? 盛り上げた方が楽しかったかなぁ、と思ってね」
《主》は嗤う。
「貴様……何がしたい……?」
ハザードが問う。《主》は相変わらず、くつくつと笑って、シャノンと同じ顔で答えた。
「最初に言っただろう? 僕はね、キミ達に期待しているんだ。どれだけ僕の期待に応えられるか――――見せておくれよ。余興もこれで終りだ。《セモン》は覚醒の入口をつかんだ。舞台装置は整った」
《主》がパチン、と指を鳴らすと、グリーア達を魔方陣がつつんでいく。彼女たちが、一人一人、元いた『セカイ』へと還っていく。
「バイバイ、セモン。また会おうね。コハク、セモンと幸せに」
表情豊かだった《妖魔槍》も、消えていく。
後に残ったのは、唖然とした表情の、セモンと、コハクと、ハザード。今だ戦闘の余韻を残しているかのように唸るシャノン。自
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