DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十話
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王剣》のグリーアの攻撃力。シャノンさえ手こずらせるその力に、数の差まで加われば、それがどれだけ厄介な存在として機能するのかは、もはや明らかであった。
今更ながらに、ユニークスキルという概念がいかにインチキだったのか、痛感させられる。セモンは《聖剣騎士団》全員がユニークスキルホルダーだったが故にそこまで気にならなかったが、プレイヤー達が散々ユニークスキルホルダー達を妬んできた理由もわかる気がした。
「兄さんがそんなバランスブレイカーなスキルを作るはずがない。《武神六腕》……《SO-TENN-KENN》……一体、誰が……――――っ!?」
ハザードが何かに気がついた様に絶句する。それを見て、くすくすくす、と《主》が笑う。
「言っただろ? 《武神六腕》も《SO-TENN-KENN》も、『その世界のゲームマスターが与えた』ってね。『武神の世界』でも『BATTOSAIの世界』でも、茅場晶彦は十全にゲームマスターとしての役割を果たせていない。どちらにももう一人、別のGMが……って、こんなこと今は関係無いよね」
再びくつくつと笑う《主》。
「何にせよ、言えることはただひとつ――――君の兄は、完璧でも何でもなかった、ということさ」
瞬間。
ハザードが鬼のごとき形相で、絶叫した。
「貴様……兄さんを、侮辱するなぁぁぁぁぁッ!!!」
ハザードの大剣、《カラドボルグ》が漆黒のエフェクトライトを放つ。《獣聖》専用ソードスキルの一つ、重斬撃攻撃、《アスモディオス》。
だが。
「残念。《色欲》には耐性があるんだ」
その光は、《主》の体に吸収されて、消えた。
「馬鹿な……」
「まぁ、今のは『名前つながり』だったけど、別に普通のソードスキルも効かないよ。そう言う体質なんだ。どんな技能も効果がない。《神様の特権》、と言った所かな?」
《主》は笑う。
その笑いは、やけに綺麗で――――彼が、絶望的なまでに強大な存在であることを、セモンは今更ながら痛感させられた。
硬直したハザードを、同じく龍翼のグリーアが吹き飛ばす。《獣聖》のグリーアが放ったのは、見たことのない黒いソードスキル。恐らくは、《獣聖》の大剣用ではないソードスキルなのだろう。
「くっ」
《神話剣》のグリーアを始めとする、ユニークスキル使い達の攻撃が、セモンを穿つ。数が多い。こちらは実質四人、あちらは十三人もいるのだ。相手をしきれない。
このままでは、いずれ、倒れてしまう。
そうなったら――――現実世界は、どうなる? 枷の無くなった《白亜宮》が、平和な現実世界を侵蝕し、蹂躙してしまうのではないか?
いや、自分たちが何をしても、もしかしたら無駄なのか
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