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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第三章 五話 戦闘の序幕
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く必要もない場所に送られること請け合いであるから、アルゴンと他の幹部達の旗艦と通信を中継して作戦会議を行う。
まず第一の疑問としてどうやって迎撃体制が整う前に攻撃を仕掛けることができたのか、ということが議題に上がった。
ファズ・マティは拠点を持てぬ無頼漢である海賊達が補給や整備を完璧に行える場所を求めた結果作り出された人工惑星である。内部は手狭で唯一ある軌道エレベーターを降りた近くにある施設がファズ・マティの宇宙港以外で人間の活動できる空間である。後は酸素を生み出すための水耕プラントなどがスペースを占有している。
むさ苦しい醜男共のラストリゾートといったところだ。それ故、防御手段は無数に用意してある。
まず、外界とファズ・マティとを隔てるメテオストームの近辺に交代制の見張りを立てる。敵がやってきた際に接近を迅速に報せるため途中の航路には隕石に偽装したIP通信中継装置がばら撒かれておりエクシード航法全開で突っ込んでくる敵がいたとしても到着前に迎撃準備を整えることができる。

「どうやって気付かれずにこのファズ・マティまで接近したのだ?」

「ふムン…見張りとの連絡はついてないヨ。やられたか、逃げたか…どちらにせよ襲撃方向からしてメテオストームを通ったことは間違いない。待ち受けるならその辺りだろうネ」

幹部達の記憶するところによれば、最新の見張り担当はドミニコとかいう下っ端である。あまりやりたがらない見張りという任務を快く引き受けた辺り胡散臭く感じる。通信する時間も与えられず倒されたか、はたまた裏切り者だったのか…



海賊船デスペラード号

さて、その懸案の見張り担当ことドミニコとキトのコンビは拠点の危機に際してなにをしていたのだろうか?
幹部達の予想通り逃げたか、意表を突いてエルメッツァの回し者だったのか?
残念ながらどちらも違った。

「グオォォ……ゴガガガ……スピッ……」

「グオー…グオー…」

濃密なアルコールの臭気がデスペラード号のブリッジに充満している。体内で分解され精製されたアセトアルデヒドの匂いもキツく、そにれ隠し味のスパイスとばかりに吐瀉物の匂いがほんのりとかほる。
要するにコンパニオンの任務から解放されたのち酒浸りになったのである。だらしねぇことである。が、やって来たギリアスに余計なちょっかいを出さなかったので生き延びることができた、ともいえる。

「………だああ……もう飲めん…」

壮絶な寝言を言い、ドミニコは立ち上がった。そして、足元に転がっていた酒瓶を踏み付けて転倒。頭を床にぶつけて再び意識を闇の彼方へと旅ださせてしまった。だらしねぇ
一方、その腰巾着のキトはブリッジの隅っこの方で酒のツマミのジャーキーを食っていた。

「職務怠慢は蜜の味でゲス」

幸いにもこ
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