第三章 五話 戦闘の序幕
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大!」
「り、了解!」
敢えて敵弾を受け止めることで体制を崩すことなく即時反撃を行おうというのである。肉を切らせて骨を断つ発想である。
「APFシールド最大出力!総員対衝撃シフト!」
レーザーが着弾する衝撃がバウンゼィを襲う。シールドを最大出力で展開したことにより被害は最小限だが衝撃はそうではない。グラグラ揺れるブリッジで、唯一ギリアスは仁王立ちしてその激震に耐え、反撃のためバウンゼィを前進させる。
「さっきのタタワ、最低限のもう一撃で沈むな?」
「はい。耐えたとはいえだいぶダメージを与えたはずです」
「そいつから沈めるぞ。侮っちゃいけねぇ…」
油断なく標的としたタタワ級に砲撃を加える。が、その砲撃がタタワ級にトドメを刺すことはなかった。
「また耐えられました!」
「こいつは……何か仕掛けてやがるな!」
最小限の砲撃といえど、ボロボロの状態で駆逐艦がバウンゼィの砲撃に耐えられるはずもない。この宇宙には魔法など存在せず万物を律する厳格な物理法則が適応されているので、何らかのトリックがあることは確実である。
「敵艦隊より再び砲撃が来ます!」
「種明かしの時間はくれねえか!仕方ねぇ、今は回避に徹しろ!」
「了解しました!」
操舵手はバウンゼィを右に左に動かしてドーゴ級を中心とした艦隊が撃ち出してくるレーザーやミサイルを回避する。完璧には避けきれず所々被弾する。が、バウンゼィの装甲を削り切るだけのダメージではない。許容範囲である。
「構わねえから撃てと言いたいがよ…どうもトリックを破らねぇとデカ物に辿り着く前に削られちまうようだぜ…」
バウンゼィが距離を取ると、敵艦隊は追いかけてこず位置を固定して完璧に迎え撃つ構えをとっている。しかも更に都合の悪いことに損傷したタタワ級が後ろに下がって応急隊によって緊急修理を受けているではないか。これでは数に劣るギリアスはゾンビアタックじみた延々と続く攻撃に晒され最後にはスタミナ切れでダウンさせられてしまう。
「そもそもなんであんな装甲の薄い駆逐艦が耐えられるんだ?」
「数発外しましたがされでも確実に有効だったはずです。恐らくは【鉄壁の布陣】などで防御力を補っているものと思われます」
「指揮関係のアレか…」
「正攻法で行ってもアレで耐えられて反撃の集中砲火が来ます。それを警戒して下がればあの様に修理し、堅陣を維持するのでしょう。集中砲火を覚悟で一隻沈めても残り三隻の駆逐艦と戦艦から袋叩きにあうとあうわけです」
「成る程な…やるなら一撃で仕留めて直ぐに下がって体制を立て直す…そんな感じになるってか。【最後の咆哮】なら一撃でやれるな」
「それで一隻ずつ、確実に仕留めて行きましょう」
「おし、決ま
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