第三章 五話 戦闘の序幕
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
その艦隊の旗艦にはかなり手の入れられた戦艦【ドーゴ級】がその堂々たる姿を見せつけている。
もうロートルに近いと言われており、軍からは姿を消しつつあるというのにその艦形は並々ならぬものをギリアスに感じさせた。
「大物みたいだぜ。お前ら、気合い入れろや」
「了解」
新たに現れた艦隊を正面に捉え、ギリアスは油断なくその構成を分析する。
「旗艦はあのデカ物か…データにあるな?」
「はい。カルバライヤ製戦艦【ドーゴ級】。今までの艦船とは比較にならない装甲と火力があります。データにある標準タイプからかなり改造を施しているようです。データにない行動も取るでしょう。注意してください」
「取り巻きはたいしたことなさそうだが…固そうな形してやがる」
「カルバライヤ製駆逐艦タタワ級です。レーザー防御能力の高いディゴマ装甲を採用しています。壁としては申し分ないでしょう」
「前列の取り巻きを潰すぞ。それから後ろのデカ物とガチンコだ」
「了解」
方針を定めたギリアスが戦闘を開始しようとした時、通信回線にそのドーゴ級から一方通行の通行が入り込んだ。
「 ふん、小うるさいネズミめが……フネの性能が全てを決すと思い込んでおるな?【違い】というものを見せてやろう。お主の死を以ってしてな……」
一方通行なのでギリアスがなにか言い返す前に回線は切れた。
「チッ…また爺さんかよ」
ここ最近のギリアスの戦歴における敵手は黒いファンクス級の艦長の老人などが上げられる。
グルグル回って自滅したアレである。
「今日で後進に道を譲ってもらうぜ、老害が!」
そう言ってギリアスは敵艦に突撃する。
「まずは前列!一斉射撃、用意!」
「射撃パターン入力完了。敵艦相対距離調整終了」
「ぶちかませ!……その後はさがれよ」
一斉射撃後のCTの低下も計算に入れつつ戦うのである。CT管理は単艦で多数と戦う際に必須のスキルである。
相手のCTも予測し、行動によってどの程度CTが残っているか推測し動けないと確信を持った時、必殺の最後の咆哮が炸裂するのだ。
「敵艦に着弾……耐えた!?」
耐久性で劣る駆逐艦であるタタワ級は、なんと驚くべきことにバウンゼィの一斉射撃を耐え抜いたのである。いくらか回避されたとはいえ驚きである。
「後退!集中砲火が来るぞ!」
ギリアスの指示に従い操舵手がすぐさまバックブースターを起動させて後退を行う。迅速な行動により旗艦以外の駆逐艦の射程からは逃れたバウンゼィだったが、ドーゴ級のLサイズレーザーの射程にはギリギリ捉えられていた。
「長距離レーザー、来ます!回避機動!」
「いや、体制を崩すな!立て直す前に詰め寄られる!受け止めろ!APFシールド出力最
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ