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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第三章 五話 戦闘の序幕
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けて出撃指令でもだせば絵になったかもしれないが、生憎白野に戦闘指揮の最中にカッコつけて隙を晒すような趣味はない。ごく普通にカタパルトで待機している艦載機部隊に艦内通信で出撃指令を出したのみである。



ユニコーン カタパルト

「出撃指令が出た…!」

同時刻、カタパルトでジェガンに搭乗して待機していた艦載機部隊の隊長、レイアムは艦長からの指示を受けて俄かにその身を震わせた。
ネージリンスで白野に雇われてから既に数週間、行く先々で艦船同士の戦闘はあったものの搭乗機体であるジェガンの操縦経験に劣る新米達を鍛え上げていたという事情とジェガン自体のデータ不足もありそれに参加する機会はなかったもののついにその機会が巡って来たのである。

「総員、出撃だ!」

「了解!」

レイアムの招集を受けた隊員達が次々と集まりジェガンのメインシステムを待機モードから戦闘モードへと切り替える。
遂に実戦ということで隊員達も気分が逸っているのだろう。
しかし、それを厳しく嗜める者もいる。

「いいか、決して油断するな。戦場では一秒の余所見が死を招く」

と言ったのは艦載機部隊のもう一人のエースパイロットであるカトーだった。彼は特に新米達に対してスパルタ教育を施し鬼軍曹の異名を軍人でも無いのに獲得している。どちらかというと軍曹なのはもと軍人のレイアムなのであるが。
ともかく、レイアムによる簡易的なブリーフィングが始まる。

「作戦目標は敵艦隊前衛を務める水雷艇だ。情報によれば敵艦隊に艦載機及び対空兵装はない。砲門の前に出ず距離をとって攻撃をしかければ撃墜される心配はない。艦長、初仕事に白星を取れるお膳立てをしてくれたようだ。ぬかるなよ」

そう言って、コクピットに入り込みジェガンをカタパルトのレールに移動させ、脚部を射出装置に固定させる。

「レイアム・ロー、出撃する!」

「こちらカトー、出撃する!」

こうして、二人の隊長に率いられたジェガン部隊は初仕事を白星で飾るために出撃していった。

続く
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