第三章 五話 戦闘の序幕
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ユニコーン ブリッジ
白野秋人率いるユニコーンは、スカーバレル海賊団の本拠地【ファズ・マティ】を攻略するためにファズ・マティ第一の守りであるメテオストームに突入を敢行しようとしていた。
白野の弟子であるギリアスは既に先行してメテオストームに突入している。彼がまずファズ・マティの手前で派手に暴れてファズ・マティの内部にたむろしているであろう海賊船を要塞の外に引き摺り出し、後からやって来た白野が共同してそれを叩き潰しその後要塞内部に突入するという手はずである。
「……んん?後ろから船が来る」
「艦種は?」
そういう理由で突入準備をしていたユニコーンのレーダーが、後方からやってくる艦船の反応を捉えた。測定によればエルメッツァの標準的巡洋艦程度のインフラトン排出量があるらしい。
「第二種戦闘準備。指示があるまで戦闘行動には移るな」
そう指示して白野はユニコーンの後部モニターに映る艦船を見る。
「…サウザーン級か」
サウザーン級は、エルメッツァ正規軍が頻繁に利用する標準的巡洋艦である。それなりの拡張性、武装スロットも巡洋艦としては豊富な方、指揮のしやすさ、そしてなによりカタパルトがくっついているのが特徴である。これに艦載機さえ積めば小マゼランの艦船で巡洋艦の対抗馬はほとんどは涙目になる。エルメッツァが空母タイプの艦船を開発していないのはコイツがやたら汎用性が高いからである。空母が必要になるような敵国は周囲に存在しないというのも一因であろう。
「スカーバレルのようではないが…通信、繋げろ」
「了解」
ゲイケットが後方からやって来るサウザーン級に通信回線を繋ぐ。其の間、ユニコーンのプラズマ砲はさりげなくそのサウザーン級へと向けられていた。
暫くのノイズの後、サウザーン級との間に回線が繋がった。画面に現れたのは、まだ若い銀髪の少年だった。
「こちらは戦艦ユニコーンの艦長、白野秋人だ。申し訳ないが現在海賊との戦闘準備中だ。早急に去就を明らかにしてもらいたい」
白野のその問いに対して、少年は臆することなく答える。
「こちらはバルバロッサ艦長のユーリです。僕達もスカーバレル海賊団と戦っています。できることなら協力を願います」
その少年を見て、白野は内心ようやく見つけたと思ったがそれはおくびにも出さずこう答えた。
「いいだろう。人手は欲しかったところだ。俺の弟子が先行している。直ぐにメテオストームに突入して援護するが、着いてこられるな?」
「はい。いけます」
「遅れるなよ」
そう言って、白野は通信を切った。直後、ブリッジクルーに指揮を下す。
「飛び入り参加がはいったが、獲物を譲ってやることはない。狩りまくるぞ。総員、戦闘態勢をとれ」
「「「了解!」」
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