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魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦四日目(4)×正午での一高と三高
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が、その名無しだけは格上でとてもじゃないが高校生レベルを超えている。実際名無しの持つデバイスも確認されていない。一高の者でそれ以外の要因もあるだろう」

「一条君、吉祥寺君、それって・・・・何だと思う?」

スピード・シューティングの準決勝、三位決定戦で一高に連敗した女子選手の問いに、将輝と吉祥寺は愛・コンタクトで互いの意見が一致していた。

「エンジニア、だと思う。多分、女子のスピード・シューティングについたエンジニアが、相当な凄腕だったんじゃないかな」

「賛成だ。ジョージ、あの優勝選手のデバイス・・・・気付いたか?」

「ウン、あれは、汎用型だったね」

「そんな・・・・だって、照準補助がついてましたよ?」

「そうよ!小銃形態の汎用型デバイスなんて聞いた事ないわ!」

「確かに。どのメーカーのカタログでも、そんなの見た事ないぜ?」

一条と吉祥寺以外の者達は、反論ばかりだった。あとは小銃形態の汎用型デバイス何て技術は、市販されてないしそれも考えるが一条は言う。

「市販はされてないが、照準補助と汎用型を一体化したデバイスの実例はある」

「マジかよ・・・・」

一条の言葉に呆然とする者もいるし、誰もが信じられないとも言う者もいる。去年の夏にドイツのデュッセンドルフで汎用型CADに特化型CAD用の照準補助システムを繋げた試作品が発表された事を伝えるとほとんど最新技術じゃないかと言う。一条も調べ直すまで知らなかったようだけど、そうだったから皆も知る訳がない。吉祥寺が知っていたからブレーンだと言うが、吉祥寺が知る情報と現実であったのとは違う物でもあった。

「デュッセンドルフで公表された試作品は、実用に耐えるレベルじゃなかったはずなんだ。動作は鈍いし、精度は低いし、本当に『ただ繋げただけ』の、技術的な意味しかない実験品だった」

「しかし今回、一高の北山選手が使ったデバイスは、特化型にも劣らぬ速度と精度と、系統の異なる起動式を処理するという汎用型の長所を兼ね備えた物だった。それが全て、エンジニアの腕で実現しているのだとしたら・・・・到底高校生のレベルではない。名無しとそのエンジニアは一種の化け物だ。午後からの男子スピード・シューティングでも名無しが出るという事は、相当実力が無ければ優勝は確実だ。ハンデがあったとしてもだ」

「将輝、お前がそこまで言う相手かよ・・・・」

「一人のエンジニアが全ての競技を担当する事は物理的に不可能だけど・・・・」

「そいつが担当する競技は、今後も苦戦を免れないだろう。少なくとも、デバイス面で二、三世代のハンデを負っていると考えて臨むべきだ。名無しに関してもだ、競技に出場する名無しは実力に関しても上の上だと思う。俺が相手したとしても勝てるかは分からない」

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